31.私─新しい住処。
正直に言おう。
大成功と言えた。
当初の目的の冒険者ギルドと王立学校、そして図書館を押さえては満足するかと思ったけれども。
私も随分と人間を理解しては俗物になったと思う。
記憶を得られる過程で、色んな良い記憶をくれたのだ。
ならば、良い記憶や具材は利用してこそ真価を発揮するとは寮の女の子が料理をする時に教えてくれたものだ。
料理は生活に通ずるものがあるとその博識に私は感動していたが、私も実践に移せるとは思わなかった。
彼女も具材としては優秀だったので、ちゃんと私の中へと食べて上げたのだ。
そう、話を戻すと。
ただ、記憶は記憶として残すのではなく利用してこそだと私は確かに驚いた。
だから、計画を立てる際も相手の情報は今までの蓄積からある程度は分かっていたので、とても良く対応出来たと思う。
今は、その具材自体を食べれたから補完というよりは完全になったと言うべきだろう。
とりあえずは、色々と記憶を食べれたから。
更に活かせるように、記憶を元に満足するまで食事を楽しんだのだ。
目処が立ったので、こうやって小さくなっては隠密を用いては今は王都から出ては目的の場所まで鳥となって飛んでいるのだ。
目的の場所?
それは静かで、長く永く生活出来る場所だ。
今回は沢山、沢山、記憶や経験値を得られたからね。
──捕食を完了しました。幾らかの経験値、スキルを得ました。
そう、じっくりと私の中で捉えては消化しているのだ。
生命ある者も生命が無くなればただの物だ。
亜空間に収めては少しずつ、味わいながら消化しているのだ。
でも、消化する過程で何か抜け出ている気がするから、ソレが魂と言えるものなのかも知れない。
経験値、スキルというのは魂に根付いたもので、私の本質は魂を喰らうことなのかもと哲学を論じそうになったので笑ってしまっていた。
まぁ、笑った所で鳥の鳴き声が囀られる位なのだが。
ん? そうだ。私の今からを思考を私自身で纏めてる所だった。
だから、沢山の記憶や経験、後は素材もそうだ。
何よりも数え切れない書物だ。
私はソレを思い出してはとても良い気持ちになる。
それらを堪能して、読んだり、食べたり出来るように落ち着ける場所へと向かっているのだ。
候補は1つしか無かった。
冒険者ギルドでの情報の中で古からの古龍の眠る場所があるらしい。
曰く、神の下僕とか。
世界を創りし一匹だとか。
とりあえず、そんな古龍が居る場所だ。
滅多に近寄らないように警告が各地で各王国でもされているようで、何よりも魔物もそういう風に本能に刻み込まれているのか、近寄る事も無いらしい。
そもそも、高い山に囲まれた窪地らしいので行く事さえ困難なのだとか。
そんな場所へと向けて私は気ままに飛んでは目的地が見えて来ていた。
緑、魔力、水、自然、全てが美しい光景が広がっていては、窪地の中心地に大きい大きい白亜の龍が、その巨体を横たえては静かに眠っているようだった。
危険は噂程には無いのだろうか?
何匹か小さな小鳥がその頭に乗っては鳴いている。
私も小鳥に紛れては古龍の頭の上に乗っては──バクリッ。
こんな静かで、争いも、不浄というのもさえ寄せ付けない。
平和があった世界には聞き慣れない音がなっては古龍の頭が消え去っていた。
血の1滴も垂れてはいない。
だって、私が勿体ないから啜っているからだ。
あぁ、立派な住処だ。
脱皮の後だろうか? 生え変わりの逆鱗やら鱗、牙や爪、全てを喰らっては更地にして。
私は私が住みやすいように人間から手に入れた。
資材や調度品を取り出しては1軒の住処を創り出す。
あぁ、立派だ。
1軒といっても広々とした立派な屋敷みたいな広さだ。
私は認識阻害や持てる結界を張っては古龍からの知識と知恵を早速得ては魔除けの結界も張り直しておく。
中々、長生きをしていたようで、莫大な量の経験やスキルを得ている最中みたいだ。
──処理に時間を要します。
こんな案内も初めて聞いた。
ああ、この案内の正体も知りたい。
神の下僕とか言われている、この古龍は正体を知っているのだろうか?
とりあえずは取り出した座り心地の良いソファに私は腰がけてはゆっくりと身体を休める事にする。
基本的には飲み食いをしなくても私は生きていけるらしい。
それならば惰眠という名の色んな捕食した者たちの記憶を貪るのも一興なのだ。
夢というのは、こういうものなのだろう。
講義の中でも夢の話をされていた。
情報の整理、同じような事を魔法や歴史を紐解く上で大切で重要だと。
私もそう思うよ。
その語った教師の記憶や経験、スキルも後で美味しく頂こう。
あぁ、幸せだ。
──暫くはオヤスミ。




