27.私─受付嬢もこなす。
「こちらのクエスト、承認、致しました」
「おう! 新しい受付嬢ちゃんか! 可愛いな!」
「ありがとう御座います。これから、宜しくお願い致します」
「この子はアメリアちゃんっていうの、王立学校のお休みの時はこうやって、お手伝いをしているから。余り、オイタしたらダメよ?」
「ガハハ! 分かっているさ! では、行ってくる!」
先輩の受付嬢さんが隣で私へとウィンクしてくるので、私はペコリと頭を下げては次の冒険者へと向き合う。
そう、私は王立学校な休みの日はこうやって受付嬢をこなしている。
働きながら思ったが、コレは優しさというやつでは無いだろうかと思った。
何故なら、無償で貴族、商家、王家または優秀な平民出の王立学校へ通わせて貰いつつも、こうやって働かせて貰えているからだ。
疑問になって、この隣の先輩受付嬢へ詳細の説明を聞いてみたが「若い娘はそんな事を気にしたらダメよ〜?」と、笑いながら済ませられてしまった。
なるほど、冒険者の街での私の貯まりに貯まった善意というヤツが、私をここへ押し上げたのだろう。
善意というのは素晴らしいと私は再認識しては冒険者を捌いていく。
「へぇ、こんな魔物が居るのですね」
「そうよー? 初めて見るタイプも居るでしょう? ここ王都のクエストは多岐に渡るからね。幅も凄いのよ。ほら、何パーティーか高ランク冒険者も見たでしょう?」
私はコクンと頷いては同意を示す。
この先輩受付嬢の言う通りで、冒険者の街の冒険者は確かに冒険者が多かったが中間層が多い印象だったが、ここ王都の冒険者は下から上までバランス良く多い印象だった。
そんな中でも上の上、上澄みのような煌びやかな高ランク冒険者も見ることが出来た。
アレは美味しそうだ。
そう、私はその者たちを見ては思った次第だ。
それに下働きも多い。
他のギルドでも貧民層の救済措置として、雇い入れては育て、芽がある者は私みたいに育てているみたいだ。
なるほど、私には芽があるのか。
やはり、利用し、利用されの世界だ。
そんなに甘い世界ではなく。非常に私には分かりやすく、好ましかった。
なので、私は受付嬢としても、内務の事務処理の方も勤勉に勤める事にした。
色々と運営方式や、物の価値、者の運用方法を学ばせて貰うことが多く、非常に価値ある時間だったと言えよう。
そうやって、私はこの王都の冒険者ギルドでも、王立学校でも、着実に根を張っては育てる事に精を出す事に精力的に取り組む事にした。




