20.私─慎重を覚えた。
まずは注意深く観察を始めた。
住居は冒険者ギルドの宿舎を与えてくれた。
お風呂、トイレは共同で付いているのがポイントらしい。
色んな女性の裸の構成や、構造を知れて私はとても学びになった。
化粧も覚えた。
今まではして貰っていたり、最低限だったが、ここで知れたのも嬉しかった。
なるほど、着飾るというのも存外に悪くない。
要は美味しく見せるための術なのだ。
非常に興味が湧いたので、女性に関してはつぶさに観察しては褒めたり、心配するように私は覚えた。
そうしたら、人間は善意には善意で応えてくれるものだと私は知った。
そして、善意とは疑いや悪という物からも覆い隠してくれる有効な手立てだと味を覚えた。
そう、食べる以外の味を覚えたのだ。
これも美味しいと言えて、私は満足だった。
そして、最初に私は慎重に吟味を重ねた上で鑑定に必要な水晶を食べる事にした。
古びた倉庫で、管理も杜撰だったのが救いだった。
私は鑑定を覚えた。
鑑定は良い、調べる度に、知らないことを知れ。
そして、何よりも食べるのに対して被りを抑えられるようになった。
私はより吟味を重ねては、魔物を卸しては解体しているギルド裏の解体所に通うようにしては珍しい魔物が卸された際や、まだ知らないスキルや経験値を積めそうな時は一部分だけを抜き取って食べるようにした。
そうして、いつかは降ろされる魔物の殆どは制覇してしまったら、街に夜に姿を変えては闇夜に紛れては買い出しに出た。
ブラックマーケットは格好の場だった。
深いローブで声と姿を変えれば別人の出来上がりだ。
購入の際には練習も含めて、軽い催眠術を掛けては購入をしていく。
チョロまかすような事はしない。
丁寧に慎重にやると決めたのだ。
そして、ブラックマーケットの商品も目新しいのは失くなるのと、私の手持ちの現金が少なくなるのは必然だった。
だから、次は私はそのまま姿を変えるのに味を占めては冒険者として、周囲のダンジョンを攻略し始めた。
ダンジョンはこれまた格好の餌場だった。
まずはダンジョンに消化されようとしていた冒険者は見つけ次第、美味しく食べた。
後は死にかけの、亡くなってもおかしくは無く。
消えても違和感の無い冒険者はアメリアとしての仕事柄も把握していた。
そういう、無理をしていては瀕死になっている冒険者も見つけ次第、美味しく頂いた。
「や、め、て──や、め、ろ、助け……」と、皆一様に言葉を吐いていたが、美味しかった。
そんな冒険者が持っていた、武器や素材や金銭はダンジョンに吸収されては宝箱として現れたり、ダンジョンの魔力と合わさり、更に高品質になって現れると知っていたので、取り尽くした。
ダンジョンの魔物も目新しいのがいれば食べては、幾らかの経験値とスキルを得た。
そのまま、気が向けば周囲のダンジョンを攻略しては、私は目ぼしいダンジョンは食べ尽くしたのと。
目ぼしい1品含めて、ブラックマーケット、市場含めての街の商品は買い食べたのと。
最期に消えても良い、悪徳な冒険者や人物、恨まれている人などを美味しく、美味しく、たいらげて行った。
──ご馳走様。




