16.裏─オーク達の災難。
女! 女! 女だ!
今日は沢山、女を犯せる!
まずはボスからだ。
俺達は女を運ぶだけ。
早く、早く犯したい。
俺の担いでるコイツからは胸騒ぎがする。
凄い、何かが俺を燻るんだ。
あぁ! 堪らない。
見回すと皆、同じような顔をしている。
けれども、我慢だ。
まずはボスからだ。
既に運んでいる女は既に終わった後だろう。
生きていればいいな。
死んでると刺激が足りないんだ。
そうして、女の絶叫が聞こえてはボスがまだ楽しんでいると分かる。
ボスの横では既に女を運んでいた仲間が犯し始めている。
早く、早く、俺にも!
「うっ、うっ、うっ──」
コイツもつまらなくなってきた。
目の前の女を犯しては俺は思っていたら、配下が新しい女を運んできた。
俺の鼻に付くのは極上の匂いだ。
今まで嗅いだことのない程の芳しい匂いだ。
あぁ! 興奮する! 俺のが大きくなったのか、入れたままの女が大きな絶叫を上げては気絶した。
「死んだか? まぁ、いい」
俺は女を投げ捨てては新しい女へと手を伸ばす。
「小さいな?」
まるで、直ぐに壊れてしまいそうな感じだ。
だが、ソイツは俺をただ見ていた。
「ああ、イイな」
いいぞ、その表情。
ああ、その表情を壊したい。
入れようとした瞬間にヒヤッとする。
寒気というやつか。
悪寒を感じては俺はソイツをジッと見ると、ソイツは急にゾッとするような顔で深い笑みを浮かべた。
一瞬、そうだ。一瞬、硬直した瞬間に人間の使う矢が俺の肩へと飛んできていた。
「ガァァァア!!」
背後を振り返ると沢山の人間が、男! 男! 男!
男ばかりが居た。
不愉快だ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
俺は手に棍棒を持とうとして、持てなかった。
「ガ?」
右手に力が入らない。
ヒヤッとした視線を感じて追えば、目の前の女が俺を嬉しそうに見ていた。
なんだ? おかしい?
背後では部下が殺されている声がする。
ああ、直ぐ側まで人間の男が来ている。
俺は悪寒を感じながらも振り返っては唯一動く左手を振り上げては人間に迫ったが、武器を持たない俺は何も出来なかった。
串刺しにされては意識を失う、その瞬間に俺を見る女を最期に見た。
そうだ、あの目、あの瞳は──俺を見る女の瞳から映される俺の顔、俺の目だ。
ソレを認識しては俺は恐慌状態になっては意識がそこで潰えるのだった。




