15.私──オークに襲われる。
ゴブリン育成計画はある程度の成功を収めたと言える。
ある程度の知性と習熟度があるとスキルが生えるのも分かった。
やはり、知性とは素晴らしい。
だが、物凄く手間だと分かった。
そして、私が食べては幾らかの経験値とスキルを得られるのは特権だとも分かった。
私は何なのだろう?
そんな疑問は湧いたが、ソレは生きる者全員が抱える問題だと気付けば、些細な疑問だと気付いた。
哲学というらしい。
奥が深いと私は思った。
とりあえず、目覚めた私はゴブリン村を食った。
美味しいとも何とも感じなかったが、ちょっとした満足感があった。
コレが手間暇を掛けるというやつだろう。
学びを得たと思う。
そのまま、この辺り一帯を押さえたと把握している私はゴブリン達の情報のあった、オーク達の集落へ向けてアメリアとして歩き始めた。
だいぶ、森の中は飽きてきたと思う。
少しだけ欠伸が出そうだと思った時にお目当てのオークに出会った。
ブヒブヒと何を言っているかは分からない。
けれども、仲間を呼んでいるらしい。
なら、一匹位良いか。
私は判断してはパクっと食らう。
あぁ、知識が増える。
女、居た。犯す。犯す。
なるほど、なるほど。
分かりやすい。
単純なのも好きだよ、私は。
オークの言語を理解したら、遠くから女! 女! 女! と声が沢山聞こえてくる。
そして、私はオークに取り囲まれては拘束され、彼らに巣へとお持ち帰りされるみたいだった。
コレが人間の世界でも夜に行われるお持ち帰りというやつかと、私はまた一歩、世界の真理に辿り着けたのだと笑った。




