午前8時 神社
今レイコがどこにいるのかはわからない。
いつもの場所に戻ってレイコを待つしかない。
「レイコ、居てくれ。」
走っていつもの場所に行った。
はやく事実を聞かないとレイコが消えてしまうようなそんな嫌な予感がした。
「レイコ!」
「何?」
安心した。まだいつもの場所にいつものレイコがいた。
「レイコ、調べてきたんだけど。キミの名前って…」
「あぁ…バレちゃったんだ。」
「レイコ」
「そうだよ。私が桐崎麗子。きみのみた新聞に載っていた唯一見つからなかった行方不明者だよ。」
「レイコはどこで待っているの…?」
「私は…」
レイコに詳しく聞こうとした時、僕の後ろから人間ではない大きな影ができた。
「きみ、逃げて!」
レイコが叫んだ。
こんな時でも僕は意外と冷静で、僕の名前を呼んではくれないんだなと思ってしまった。
「レ…コ……レイ…コ……」
「きみはレイコを探しているんですか?」
「レ…コ……」
「僕もしかしたらレイコの場所わかるかもしれないんだけど、僕を襲わずに待っていられますか?」
「レ…コ…マッ…テル……」
「今ここで止まって待っていてください。あなた多分普通の人には見えていない人でしょ?」
レイコはずっと睨んでいた。
この妖怪に恨みでもあるのだろうか。
妖怪を睨んでいようが僕には関係ない。
僕のやらないといけないことはレイコの居場所を見つけることだ。
「レイコ、キミの死んだ場所に連れて行って。」
「……きみがアソコにくるのならマスクをしたほうがいい。」
「わかった。でも学校に連絡だけさせて。」
「待っているからはやくして。はやく行かないと時間がない。」
「……連絡し終わった!行こう。あなたはここで待っていてください。見つけたら僕が伝えますので。」
「レイ…コ…」
レイコの後ろをついていくと段々と森の中に入って行った。
森は整備されていなく、動物がいた後や虫の死骸が落ちていた。
「レイコ、本当にこの辺りであってるの?」
「あってる。私はいつもその位置まで戻っているから。」
「ならこのまま着いていくからね。」
人間が入ることは絶対にない暗がりの奥に一段と暗い洞窟があった。
「私の遺体はここにある。」
「なんでこんな山奥に…?」
「私は…」