暇を持て余した神様が最恐の大魔王と伝説の勇者との三役を演じてみた話。
応募用に作ったものです……。
どうぞ!
「……暇だ。」
1本のペンしか置かれていない寂しげな机を見ながら、私はぽつりと呟く。
黒を基調にまとめられただだっ広い部屋に、静寂がもたらされた。
「ユーリ様。本日分で今後20年の仕事が終了致しました。」
「そうか。ご苦労。」
私はユーリ・アフロート。【カノアリア】という世界を創り出した所謂世界神だ。
「サーラ。至急、次の仕事を持ってきてくれ。」
ふわふわとした羽をぴょこぴょこと前後に動かしている彼女は天使のサーラ。
普段は落ち着いた雰囲気をまとっているが、実際はドジでアホである。
「仕事はもうございません。」
そんな端的な一言を述べながら、サーラは短い髪をふわりと揺らした。
「え?」
同時に私の長髪も僅かな風になびき、揺れる。
「い、今、仕事がないと言ったのか?」
焦りをかき消そうと、1度唇を舐める。
「はい。ちなみに、今後1年間は仕事が一切ございません。」
「いやいや。まさかそんなはずが……。」
すぐさま別の天使を呼び寄せ話を聞く。
白髪の少女は事情を知るとあぁと小さく漏らし
「確かに違いますね。」
と言った。
「やはりそうか。サーラはぬけているところがあるからな。そんなことだろうと思ったよ。」
「1年ではなく10年ですね。」
「……え?」
思考停止すること約3秒。
「ちょ、は?嘘だろう?」
「ほんとです。ユーリ様。」
ていうことは……私
「10年間も、暇だと言うのか?」
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「コレももう、読み飽きたな。」
机に積み重ねられた本を見て、思わず顔をしかめる。
その数ざっと1500冊。これらは全て一日で読んだものだ。
「……こんな日があと10年も続くのか……。」
退屈すぎてため息が出る。
まずい。このままじゃ私の精神が死んでしまう。
「なにか手を打つしかないか……。」
顎に手をやり、思考する。
と、その時私の頭にひとつの案が閃いた。
バッと目の前にある本を手に取る。
【異世界に転生したら勇者になりました】
「……これだ。」
異世界転生。勇者。そして討伐する魔王。
「地球」という世界にあるこれらの本を参考にして自分でこの設定を作りあげれば……
「暇を、潰せる。」
ぶわっと猛烈な衝動が湧いてきた。
もの凄く面白そうだ。仲間を作って旅に出る。
勇者として人々を守る。
同時に、魔王として人々を襲う。
よし。
「やろう。」
即決。
「早速準備するか。」
行動は早い方がいいだろう。私は手に神力を集め……
「ここでいいか。」
パッと目についた国を滅ぼした。
さて……始めるか。
始まったところで終わるという笑
今の連載が終わったらこの続きも出すかもです
いつになるかはわかんないけど(おい)
さて、いかがでしたでしょうか?
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次回投稿いつになるかは分かりませんが(--;)
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