不思議玉手箱 其の2
荼毘の秘法の続きのような
散文駄文詩。そんなようなものです。
季節は夏。
宿場町で懐かしい貴方に会いました。真夏の夜。祭りの夜。手をつないだあの子は、あの世の子なのかな。立ち昇る切ない入道雲に、涙が出ました。瓦の群れ。ここは何処だらう。人っこひとりいません。真昼の白昼夢。不思議な世界に迷い込みました。香る、古い木の匂い。古い木の家々。少しかび臭い匂いがします。花腐し。木食の乞食説法。
窓から見える海の風景。綺羅綺羅と太陽に輝いています。瓦の群れも。鰯の背に似ています。ぎょろりと仏の目。仏様の仏壇から線香の香りがしてきて、サイダーが飲みたくなりました。ここは夏。瓶の底のビー玉が綺麗な色をしています。いしにへの鬼が来て、赤い糸を小指に巻かれました。そのままあの世につれていかれます。其処に、好いた人がいました。そんな夢のまにまに。
猫の目、烏の目。横切っていきます。標識。くねくねとあの世へ指差しながら、おじさんが女の子を誘拐してゆく看板。カルピスの黒い肌。チオビタの眠そうなお父さん。ぜんぶ錆びた看板。トタンの家、ところどころ、剥げかかった笑顔のアイドル。蛇行する道の末には、あの世があると思っていたのに、綺羅綺羅と輝く海に出ました。
縁日、仏縁、供養の秘。荼毘の秘法は、反魂香のくゆる煙に、並べた骨がけたけたと笑いだす。ここはどこぞかのお寺の秘密の部屋。秘密の電話番号をかけたら住職が、亡くなった人を蘇らせてやろうというのです。ご住職、と声をかけたらお坊様が「殊勝なことだ、お前は生きていていい」と言って、化物に姿を変えて私を飲み込んでしまった。目が覚める。ちゃぶ台の上の抜けた歯。すべては真夏の夢。
こんなのもいいかと思い。
懐古の夏に溶けて行ってください。




