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変異者──menger  ヒーロー先輩と変異者後輩  作者: しゅれねこ
第一章 ヒーローと変異者
14/15

14-outer 枢密院文書:No. 7 歪曲の提言

ある意味説明回です。

 



 ──この文書は、Regalisプロトコル適用人員のみ閲覧可能です。セキュリティコードを入力してください。






 ──確認中。……認証しました。ようこそ、No.3様。








 ******








 編集者:変異者枢密院理事 No.7 歪曲




 編集日時:【削除済み】






 ・変異者のクラス区分について



 変異者の具体的な出現時期は、明確な時期を断定する段階にまで至っていません。世間一般における出現時期は2045年と言われていますが、正確にはそれを境に世界的な広まりを見せたという事です。最低でも19世紀頃には変異者と思しき人物の情報が残されています。


 現在、世界的には変異者の危険度や重要度を指し示すため、以下の基準が用いられています。



 ・Realize

 発現から間もない変異者や、動物型であれば身体能力向上の振れ幅、異能型であればその能力の強さが、非変異者や一般人でも複数人で制圧が可能な程度を指します。多くがこのクラスに該当し、その数は半数近くと言われています。また、その後EvolveやArrivalに変更される変異者も基本的には最初、このクラスが付与されます。



 ・Evolve

 Realizeに比べ強力で、変異者または対抗武装を用意した人員複数人で制圧することが推奨される区分です。しかし、比較的能力が単純であったり凶暴性においてそれほどでもないため後述のクラスに対しては、一種の基準代わりに用いられることもしばしばあります。尚、現在変異者全体の約三割を占めると推測されています。



 ・Arrival

 放置すると著しい被害が出ると想定される特性を保持すると思われる変異者に対して付与されるクラスです。そのため生存中のこのクラスの多くは管理下にあらず、各国政府および国際機関は可能な限り速やかに確保、管理することに対して非常に高い優先順位で行っています。

 世界規模で名前が知れ渡っている変異者はそのほとんどがこのクラスを付与され、一部は管理下に置く努力ではなく、これ以上影響を広めないための努力がされています。






 ・Regalis

 このクラスは一般向けには開示されていません。一部関係者など限られた人員に対してのみ開示されており、その存在もまた情報統制の下にあります。将来的に世界規模、惑星規模で人類に致命的な被害を与えると想定される特性を持つ変異者に対してのみ付与されるクラスであり、7名が該当します。同時に変異者枢密院の構成人員でもあります。

 彼らは可能な限り無力化、破壊することが求められますが、今まで成功した事例は存在せず、発生した損害の大きさにより主要国での彼らの処分計画は凍結されています。


 可能であるならば存在するべきではない、変異者たちです。






 ・■■■■■■■■■■



 存在してはならない。存在するとき、この区分は意味を為さない。











 ・適応濃度について



 全ての人類は厳密には各個人で異なる適応濃度を保持し、それは変異者、非変異者を問いません。現在、名称不定の粒子に対する人類の順応度を適応濃度と呼称しています。この粒子が変異者の特性に関わっていると考えられています。

 適応濃度は、比較的変異者の方が高い傾向にありますが変異者確保業務に当たっている人員など、一部の非変異者でも高い適応濃度を保持する場合もあり、その原因に関しては現時点で明らかになっていません。


 尚、変異者発見に用いられるパッチテストでは粒子に対する皮膚の反応の違いが応用されています。基本的に変異者と非変異者の境界線である50maの約三倍の濃度の粒子を皮膚に付着させ、変異者であれば接触部分の皮膚には湿疹が現れます。

 アイギスに所属していた宮上 五香主任研究員の仮説によると変異者が持つ独自の機構によって変異者の場合は粒子をそれぞれの特性を発揮するためのエネルギーに変換し、その過程で発生する未知の物質が血管を拡張する──アルコールで赤くなるのに近い原理だとしている。


 尚、ごく一部の変異者──枢密院構成員はエネルギー変換の効率が異常に高く、その未知の物質がほぼ発生しないためにその現象が起こらない──パッチテストで検知されない、としている。





 ・枢密院構成員について



 変異者枢密院はクラスRegalisを付与された7名の変異者から成り立ち、基本的には各々が各自の判断で参加する合議制の会という体裁を取ります。しかし、そこで決定された事項はあくまで遂行の義務はないものであり、また■■■■■■■■■■の出現時には一切の決定事項は破棄されます。



 ・No.1 崩壊


 ・No.2 裁定


 ・No.3 統一


 ・No.4 終局


 ・No.5 革命


 ・No.6 安楽


 ・No.7 歪曲



 各人員はそれぞれ対等な立場であり、要請もそれぞれの自由意志の下にあります。

 しかし、枢密院の撤廃など枢密院を根底から覆しかねない行動に際してはNo.7 歪曲が全権となり対象の即時破壊を行います。

 枢密院は■■■■■■■■■■出現までの変異者における最高権威として機能し、出現以降は一切の機能、権限を失います。そして枢密院はあらゆる組織、機構から独立しその時までその役目を果たすための存在です。





 この報告書は、枢密院を構成する理事全員の決議により提出が許可されました。以後、理事のみ常時閲覧可能となります。その他は理事の監視及び許可の下閲覧が許可されています。


 尚、決議の結果は賛成3、反対2、棄権2です。


 賛成:統一、終局、歪曲  反対:崩壊、安楽  棄権:裁定、革命




 以下は、決議の際の各理事の発言です。





 ──この文書は抑止力の一部であり、歪曲は唯一の語り手だ。 統一


 ──歪曲が作成者ならば、私は特に異存はない。 終局


 ──願わくは、全てが平穏の内に終わることを。 歪曲




 ──これは、非変異者に肩入れしすぎている。我々が何者か、今一度考えるべきだ。 崩壊


 ──無知こそ、真の、人類全てにとっての安穏ではないだろうか。 安楽




 ──私はこの案件に関して、介入すべきではない。 裁定


 ──この文書には致命的な欠点がある。だが、歪曲が関与している以上どうしようもない。故に私はこの決議からは降りることにした。 革命






 ・理事作成文書



 この文書は私が作成しているため【消去済み】の点でいくつか矛盾が発生している。また、【消去済み】であることから偏向的な部分が含まれていることは、決議の際の各理事からの発言によって理解してもらえるだろう。その部分においては私の特性上、不可避のものでありこの文書の信用性を若干下げていることはこの場で謝罪させていただく。


 しかし、ここに書かれているのは全て私が認知している事実であり、その内容も変異者であるか否かに関わらず閲覧した全ての人員で共有してもらいたい。これは、私からの切なる願いだ。


 私が危惧しているのは■■■■■■■■■■と、その出現及び出現にによって引き起こされる破局的事態全てだ。私が知り得る限り枢密院理事──私も含めてだが全員がその原因となる可能性があることを確認している。これは、誇張でも何でもない。


 だが、7名全員が揃っている限りはその事態を避けられる。その筈だ。

 私が知っているのはそこまでだ。申し訳ない。


 その事態を避けるあらゆる手段を以って私は【削除済み】。そして【削除済み】。


 恐らく、まだRegalisである私が作成する文書は強制力によって一部改竄、または『削除済み』という表記がされていると思う。これは私ではどうしようもない。どうにかする方法もあるにはあるが、それは本末転倒になるのでこの場で明言は避けておく。


 仮に書いたとすれば、この文書そのものが『削除済み』──つまり、存在しなくなってしまうであろうから。それだけは回避しなければならない。



 我々は、破滅と隣り合わせであり、破滅そのものであるのだ。





 変異者枢密院理事 No.7 歪曲






 ******






 ──閲覧、お疲れさまでした。理事以外の閲覧記録は保存されます。


 閲覧日時:【削除済み】




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