初恋はだいたいは失敗に終わる
今回別視点が少し入ります
ご了承ください_| ̄|○ハハァ~
国立クリスティアンヌ学園。
いうことなき国内最高峰の学園である。
在籍している生徒の人数は約1000人
それぞれが、何か一芸に特化していたり、有力貴族の子供だったり、天才だったり。
将来有望な人材が集まる学園である。
そんな学校に入学できたんだと思うと今でも信じられません。
あ、自己紹介が遅れましたね。
僕は、ウォリア・クルスといいます。
親はパン屋の一般の家庭に生まれて、
特に特筆することのない人生を送ってきましたが、憧れのこの学園に入りたい一心で勉強だけは毎日真面目にコツコツこなし、無事合格することが出来ました。
それでもかなりギリギリだったらしいのですが・・・
まあそれはともかく、合格できたのはとても光栄です!
合格が決まった日は親と一緒に一晩中泣き続けましたよ・・・
しかも、なんと僕と同じ年にあのサフィラ様が入学するとのことです!
サフィラ様は素晴らしい御方だとよくお聞きします。
その姿はまさに神の作りし最高傑作だとか・・・
なんでも美しすぎるせいで初めて出た社交界の場で大量の人を失神させてしまい、それ以降社交界に出なくなったとか。
他人のために出たいであろうパーティを自ら辞退し続けるとは心まで美しいお方です・・・。
真面目一徹で16年間過ごしてきた僕には当然彼女もいたことがありませんので、女性に対する耐性を持っていないので、見た途端倒れなければいいのですが・・・・・・
・・・なんてね!
いくら美しいお方でも神の作りし最高傑作は過大評価な気がします。
きっと噂に尾ひれがついて回ったんでしょう。
おっと、考え込んでいるうちに校門が見えてきました。
ああ、憧れのクリスティアンヌ学園!
ずっと憧れだったこの学園に入れるなんてまるで夢のようだ・・・。
おや?校門辺りが騒がしいですね。
あ、ひょっとしてサフィラ様がご登校なされているのでしょうか。
だとすればその姿を一目見たいと思うのが野次馬根性というものです。
そーっと近づいて、あ、あれでしょうか。
王家特有の金髪が見えてきました。
さて、どんなお顔なのでしょうかっっっ!!
その瞬間
世界が
時が
止まった
side out
***
なんだこれ。
俺の周り、世界が止まってるぞ。
誰だよD〇O様連れてきたやつ。
なんて冗談は置いといて。
なんか俺が視界に入ると全員男女問わず会話をやめて硬直して俺を見つめてくるんだが。
俺なんか悪いことしました?
「流石だな。多分この世でお前以上に目立つ奴いねーだろーな。
さっきから俺への殺意がすげえんだけど。」
と、横のクライヴがボソッと話しかけてくる。
いや、俺も小中と学校通いしてきたわけだから何となく察せるけど。
でもうちの高等部生徒の3割が内部進学で残りの7割は外部だからまだワンチャンあるかと思ってたんだよ。だけど入学式からこれか。
理由はアレだろうね。俺が目立ってるんだろうね。モテてるんだろうね。
主に男から。
でもそこは完璧美少女モード。顔色ひとつ変えず笑顔で歩く。
外側は笑顔を振りまきながら内心は
(ふっっっざけんな!確かに目立てば女の子からのコンタクトも多くなるだろうけど男からの求愛の視線なんて受けたくねぇわ!
女の子だけ残して去れ!とっとと学校行けよ!ダッシュで!
あ、あの女の子おっ〇い大きいな揉みたい。)
と、大荒れしていた。
とりあえず早く学校へ行こう。学校について教室に入ればマシになるはず。あ、あの子もおっ〇い大きい揉みたい。
なんてことを考えながら苦難の通学路を終えてようやく学校についた。
(ようやく解放される・・・・・・)
なんて思いながら校門を潜ろうとすると、遠くで人の倒れる音がした。
・・・・・・・・・・・・・・・え?
そちらを見ると、一人の男子生徒であろう人物が気絶したかのように倒れていた。
・・・・・・まじかよ大丈夫かあれ。
おそらく体調不良だったのに無理して来たのだろう。
野郎なんて本当は助けたくないが、俺は見つけてしまった。
その男子生徒の近くで超可愛い女子生徒がいた。
ここで男子生徒を助ければ、あの女の子とも自然に話せるはず。
そう思い体を動かす。
急いで隣で空気と化しているクライヴと一緒にその男子生徒に駆け寄る。
目線は常に女子生徒だが。
「大丈夫ですか?・・・・・・返事がないですね。学園の医務室まで運びましょうか。」
「よし分かった。力仕事は俺に任せろ。」
「頼みますクライヴ。やはりあなたは頼りになりますね。」
「ああ。先に行ってるぞ」
と校舎の方へ走っていくクライヴ。男子生徒はクライヴに任せ、俺は女子生徒の方に向き直る。
「どうもはじめまして。私、サフィラ・クリスフィアと申します。お気軽にサフィラとお呼びください。」
「あっ・・・あのっ・・・私は・・・」
ふむ。どうやら緊張しているようだ。ここはひとつ、俺が緊張をほぐしてあげよう。
「-ヒーリング-」
「えっ・・・・・・あっ」
これは初歩の回復魔法だ。この魔法は傷を癒す他に精神を落ち着ける効果もある。
ちなみに余談だが俺のは練習しすぎたせいで普通は傷を治す程度なんだが、俺のは不治の病まで直せるくらいまで進歩している。
まあそれは今は関係ないか。
「どうです?これであなたの問題は解消されたでしょう?」
さあ、緊張はなくなっただろう。今すぐ俺とお話しようではないか。
もちろんその先へいくのも俺はウェルカムだ。
「あ、あ、ああああああああああ!」
と思ってたら急に泣き出しちゃったよ!
え?どうしたの?え?まじでなに?
俺なんか悪いことした?
「サブィラ様ありがどうございまずぅぅぅぅ!」
と思ったら礼を言われた。
どうゆうことだってばよ。誰か説明プリーズ。
とりあえずこれはまずいということで、それっぽい去り言葉を吐いてその場を去った。
泣いている女子生徒を置いて学校へ向かうのは心が軋む思いだが、俺に泣いている女の子を泣き止ますスキルはない。
こんなとこまで前世が童貞だったことが響くとは・・・
とりあえずまた今度泣き止んでいる時にゆっくりお話しよう。
おっとクライヴのことをすっかり忘れていた。
あの男子生徒のことも1ミクロンは気になるし、医務室へ向かおう。
さらば、名も知らぬ女子生徒よ。また今度あった時は今回の謝罪をたっぷりさせてもらう。
と、心の中で土下座をしながら、俺は医務室へ向かった。
今度からは、泣いている女性を優しく泣き止ますスキルを手に入れようと心に誓って。
読んでいただいてありがとうございます_|\○ _(3回目)
作品中で分かりにくかった部分の指摘などドシドシお願いします