三話 ケイルの悩み
皆さん、初めましての方も続けて読んでくださっている方もこんにちは修羅です。
少し遅れてしまいましたが無事投稿出来ました。書くための時間がなかなか取れなかった為とはいえなるべく週一のペースで投稿しようと思います。
ケイル視点
ノアが産まれてから6年程がたちノアもだいぶ大きくなってきたのだが、少しきになる事がある。それは、あまりにも大人びすぎているのだ。はっきりと言って子供とはとても思えない、最近では俺の本棚から勝手に本を持ち出しては読みふけっているのだ。
最初のうちはおませなのかしらなどと言っていたリーナでさえ今は、ウチの子はきっと神童なのよ、などと言い出している。だが幾ら何でも早過ぎると俺は思ってしまう、それにあいつは何かが他とは違うのだと冒険者時代に培った勘が言っている。
だが別段それが悪いわけでは無いのだ、では何故こんなことを考えているかと言えばだ、それはノアが俺のリーナに秘密で集めているコレクションを見つけては報告しているせいなのだ。お陰でリーナはその度、神さえ殺しかねない殺気を放って俺を追いかけるのだ。
確かにこれは俺が悪いとは言え手に入れてすぐに見つけ出しては、リーナに報告するあいつの顔は実に楽しげな顔をしているのを見てどうしても納得できないのだ。
そもそもどうやって見つけているのかが不思議なのだ。職業柄からこういったことはそれなりに得意なのだが、どうやってか見つけ出してしまうのだ。流石に魔法は使っていないとは思うのだが、というかあいつには魔法の使い方を教えた覚えがないので使えるはずもないのだが。ともかく今度という今度は、絶対にバレてはいけない何せ中身がとてつもなくヤバイのだ。
おそらくこれがバレたら俺は、リーナにまたあの恐ろしい罰を受けることになるのだから。あれだけは二度と受けたく無い、その為にも念入りに工作せねばな。よし、これで大丈夫なはず。ん、扉は閉めていたはずなんだがうまくしまってなかったかなまあいいか。
「夜が楽しみだなー」
さてと、畑に行って野菜でも見てこよう。
「ただいま、今帰った、よ・・・」
俺はリーナが手に持っているものを見て絶句する。何せそれは俺が今日手に入れて隠しておいたコレクションだったから。
「な、何故それを・・・まさか」
ノアがと続けようとするがそれはリーナによって遮られる
「ねぇケイル、どうして私という人がいながらこんな物を集めて来るのかしら?」
ヤバいやば過ぎるリーナの目がマジだ、というか何故バレたんだ絶対バレない自信があったのに。そして元凶であるはずのノアはどこへ行ったんだ。俺がそんな現実逃避をする中、ゆっくりと近づいて来る般若を前に意識を戻される。
「ねえ、どうして私じゃダメなのかしら」
冷たい汗が俺の背中から溢れ出す。こ、こうなったら助かる方法は一つ、
「す、すみませんでしたー‼︎」
頭を必死で地面擦り付ける俺を前に怒りに狂う乙女は、襟首を掴むと馬鹿な夫の悲鳴と共に部屋の中へと消えて行った。
「た、助けてーー!」
ノア視点
「魔法ってほんと便利だな、苦労した甲斐があったぜ」
実を言うとノアは独学で魔法を覚えていたのだが、ケイルがその実験台にされていることに気づくのはまだ先のことなのだった。
「明日は何の魔法を覚えようかなー」
どこまででもマイペースなノアは、実験台にされている自分の父親をかえりみることはないのだった。
今回はケイルの悩み、もとい性癖を書いてみました。
ケイルの自業自得とは言え不憫な日常と、まさかのノアがすでに魔法を覚えていると言う事実。そして怒るとやばいリーナさん、実に濃い家族ですね。それでは、また次話をお楽しみに。
ノア「なあ、修羅なんで俺ってお前と話せるんだ?」
修羅「不思議かい坊や、だがそれは知ってはいけないことだよ」
ノア「あっそう、まあ別に良いけどさいつになったら可愛い女の子が出て来るんだ」
修羅「君って凄い自分に正直だね。残念だけど俺には可愛い女の子なんて書けないよ」
ノア「え、じゃあこの小説終わりじゃん。俺が転生した意味はどうすんの」
修羅「別に書けないだけで終わらないよ。それに俺からするとだよ、年齢=彼女いない歴の俺にどうしろと言うんだね」
ノア「お前なんでこんな小説書いたんだよ⁉︎」
修羅「ふっ、残念だがそれを君に教えることはできないぜ」
ノア「・・・・・帰ろ」
修羅「だって教えたら俺の身がやばいしね。頑張れよ未来の・・・君」