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激闘魔女ノルン  作者: のるん・くりすとふぁ~
1/2

プロローグ

 むか~し書いた小説。主人公の名前を作者名にしたりとか、痛さ爆発ですよ~w

評価が2pとも入っていたよ~。びっくりだよ~。

プロローグ


 もし別の行動をしていたら、違う展開になっていたかもしれない。

 

 瓦礫と敗残兵の屍骸の中。自分の命が途絶えかけている中。戦火に荒れくる兵士たちが、互いの国を守るために戦っている中。頭に浮かんだのはそんなことだった。

 大戦が始まった経緯や動機などは、斬撃が交差する音に掻き消えてしまった。

 戦士として、一人の人間としての命も終わりに近づいていた。

 国にいたころは国王からもらった数多の勲章を貰い。闘技場では数えるのも億劫になるほどの戦績を築き。戦争だって何回もくぐり抜け、我の力で勝利に導いてやった。その我に致命傷を負わせたのは、流れ弾のようなただの一本の矢だった。

 人生の終わりは唐突だ。

 我の幕引きとしては滑稽過ぎる。

 だが、これで我は終わりだ。

 今思うと何故あの程度の矢を避けることができなかったのだろう。そして避けていたらまた英雄として国に帰れていたかもしれない。そもそも戦士として生きていなければ、成人に満たない時に故郷を飛び出さなければ、自分に思いを寄せていた娘の気持ちに応えていれば、仲が悪かった知人とうまく打ち解けていれば、今とは違う結末を送っていたかもしれない。

 だがもう遅い。過去は過ぎるもの。未来は現在に、現在は過去に、過去は過ぎ去り忘れ去られる。振り返ったとしても去ってしまった過去に戻ることはできぬもの。


 生きたい、まだ生きたい。

 可能性があるのなら掴み取りたい。まだ死ねない、この程度の人生で終われない。生きる、生きる、

我を生きさせろ。


炎と煙で薄汚れた空、血のように赤く濁った夕日を睨みつけるように願った。

天空から人の無様さを見て笑っているであろうものを打ち抜くように求めた。


我は願う。我は求める。この程度では生き足りない。


 ザッザ。


 足音が聞こえる。結局来たのは死であったか。この辺は敵地であり、味方の兵などほとんどいたりしない。願いなど無に等しい。求めることなど塵にあたる。我を討とうとする死神の顔でも拝むとしよう。出来ることなら、貴様の命を喰らってでも生き抜いてくれる。

そう思い振り向くと、そこにいたのは敵兵の姿ではなかった。ましてや大鎌を持った本物の死神でもなかった。

女だ。

ただの女だ。

ローブを纏った。戦場には不釣合いな存在。

何故こんなところにいるのか、どうやってここまで来たかなどの数々の疑問は、女の言葉で消し飛んだ。


「生きたい?」


ああ。もちろん生きたいさ。当然だ。この程度のことで終わりたくない。ここにいる有象無象どもとは我は違う。我は全てを手に入れ、全てを喰らうつもりだ。


「本当に生きたい?」


この程度で終わるつもりはない。生きて生きて生き尽くし、限りなく多くのものを手に入れる。


「あなたがこれから生きていることで、いいえあなたの斬撃によって切り伏せられて嘆く者や、あなたのせいで不幸を負う人がいても・・・それでも生きたい?」


 何を言っている。それを含めて生きたいと言っているのだ。生きている限り、人と人が関わる限り衝突や恨みを買うことや嘆くことは当然のことである。我は生きたいように生きる。享楽や、栄誉だけではない。怨嗟や妬み全てが我の糧なのだ。まだ我は生き足りないのだ。


「ふふ・・・なんて酷い欲望。そしてなんと強い意志。では最後の質問よ」


 なるほど、何かを試しているのだな。よかろう。いくらでも試すがいい。そして、我を生かさせろ。


「例え理不尽で無常で非道で望まぬ、絶対に避けることのできない運命を辿ることになったとし

 ても・・・生きたい?」


 ならば答えよう。貴様が何を求めるかわからぬが、我は我が生きるために答えようではないか。


「仕組まれた運命など我自身が斬り壊し、我の運命は我が決めてくれる」


「やっと見つけることができた・・・・・・」


女が何か呟いた。だがもう何を言っているのか男には聞きとることができなかった。


 そして一人の英雄の人生が、ここで一つの幕を閉じる。


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