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ゾンニート  作者: 竜獅子
第1章 ゾンビになった少年
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結構憂鬱です。

「こっちだ!」



 男が開けてくれたバリケードの入口から入ると、男は少し歩いた所にあったマンホールの蓋を開けて中に入るように指示を出した。


 ……なるほど。

 合点がいった。

 ここから男が出てきたから初めの段階で見つけることが出来なかったのか。


 それにしても、随分と用心深いことだな。

 この調子だと病院の一階にある出入口という出入口は完全に封鎖されていそうだな。



「わざわざこんな所から出入りしているのね。ということは一階にある玄関は通れないようになっているのかしら?だとしたら用心深いことね。バリケードに加えて一階の玄関も塞げばゾンビと言えども容易くは侵入出来るわけがないものね」



 それは美桜も感じたようで、何故か皮肉を込めたような物言いで男に話しかける。



「安全には安全にを期してだ。用心深いことに越したことは無い。……少なくとも、生身で外をほっつき歩いていたお前達よりはマシだ」



 男も少しは美桜にイラつきを感じたのか、美桜の皮肉に対して皮肉で返すような返答をする。

 ……何してんだこいつら?



「どうかしらね。外の世界と中の世界、どちらが安全かしら?」

「どういう意味だ?」


「このマンホールの下の通路、確か第三霊安室に通じていなかったかしら?」

「!どうしてそれを!?」


「どうしても何も、私はこの病院の大元である神農製薬の社員ですもの。それもかなり上の立場のね。そんな人間が、系列の病院の構造を知らないわけが無いでしょう?」

「お前……神農製薬の人間なのか?」


「えぇそうよ。それが何か?恨み言でもあれば受け付けるわよ?受け付けるだけだけどね」

「……いや、言いたいこと、聞きたいことは沢山あるが、今ここであんたを問い詰めて機嫌を損ねたくは無い。それに、むしろあんたが神農製薬の人間で良かった」


「でしょうね。なら、早く案内しなさい。この通路がどこに通じているのかは知っているけど、どうやって行くのかまでは流石に地図が無いことには分からない。それほどまでに中は入り組んでいるもの」

「……本当に神農製薬の人間みたいだな。分かった。すぐに案内しよう」



 ……何このおいてけぼり感。

 美桜はなんか全てを分かってる風な言いようだし、男も美桜に対して理解を示している。

 会話を聞く限りじゃ初対面っぽいのに。

 しかも会話が凄い端折ったような感じだからかなり内容が分かりにくい。


 え、何?

 僕知らない間にハブられてるの?

 えー悲しいわー


 しかもマンホールってさ、真下に垂直に降りなけりゃいけないよね?

 僕、ヤバイよ?

 階段を降りるどころの話じゃないくらいにヤバイよ?


 多分落ちる。

 降りようとした瞬間落ちる。


 何が影響しているのかは分からないけど、僕達(ゾンビ)梯子(ハシゴ)や木登りなど垂直移動が出来なくなっている。

 段差の昇降が可愛く見えるくらいに致命的に。



 ゾンビの特徴追加。

 ゾンビは垂直移動が出来ない。

 ほぼ完全と言って良い程に。



 はぁ……

 何このイジメ?

 なんとか乗り切るしかないかぁ……

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