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ゾンニート  作者: 竜獅子
第1章 ゾンビになった少年
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予想外です。

 さて、と。

 長い道のりだったがなんとか豊農大学病院に着いたわけだが……



「面倒なことになってるわね」

「ガー (あぁ)」



 相当な数の人間が病院に立て籠っているらしく、それもかなり場馴れしている奴が居るのか敷地内は完璧にバリケードが為されていて簡単に入ることが出来ないようになっている。


 大学病院というだけあって敷地も当然広いのだが、グルッと一周して確認してみたがどこも有刺鉄線や金網、車や鉄柵を隙間無く組繋げていて自力で入れそうな箇所は無かった。


 どうするかな?



「……外には人は居ないみたいね。室内から外を見張っているのかしら?チラホラとここからでも窓に人影は映っているから誰かが中に居るのは間違いのだけど」



 窓からは僕達を覗くようにこっそりと顔を出している人も伺える。

 顔に血の気もあるみたいだし、中に居るのは生きている人間なのだろう。

 そして多分、そんな人間が外に出てこずに中に居るのだから僕達(ゾンビ)は完璧に敷地内から除外している筈だ。


 ……てっきり病院なんて場所は既に無人になってて楽に侵入することが出来ると思っていたのだけど、中々そうもいかないみたいだな。



「ガー? (どうする?別の病院に行くか?)」

「いや、折角ならここで用を済ましておきたいわ。他の病院でも代用出来ないことも無いけど、更に遠い上に機材も薬品も不十分過ぎて納得出来るものに仕上げることは出来ないわ。あなたの体も、私が必要なものも」



 ……参ったな。

 ここから呼び掛けて誰かが出てくるとは思えないし……



「お、おい!お前達は生きているのか?はいかいいえで答えろ!」

「あら」



 良いタイミングで出てきたな。

 でもどこから出てきたんだ?

 玄関はずっと向こうだし、人影は無かった筈だけど?

 まぁ、別にどうでもいいか。



「私達は生きているわ。……でも、隣の私の彼はここに逃げて来る途中に怪我をしてしまって早く治療をしないと死んでしまう。ここなら治療をすることが出来るでしょう?中に入れてくれないかしら?」



 ……美桜。

 僕のことを彼氏扱いするのはいいとしよう。

 だが仮にも彼氏が死にそうなのにその淡白な物言いは何なんだ?

 あからさまに大変なの!助けて!って感じじゃないよな?

 それにもうちょっと下手に出るのが普通なんじゃ?

 これで受け入れるとしたらよっぽどのお人好しだぞ。



「治療……?お前、医者なのか?」

「一応ね。本業は医師ではないけれど、医師免許は持っているわ」


「そ、それなら俺達の力になってくれ!俺達の仲間が大変なんだ!隣の男の治療も好きにしてくれていいから、仲間を助けてくれ!」


「随分と大変そうね。いいわ。出来る限りなら力になりましょう」

「助かる!それじゃ今バリケードを解くから俺に着いてきてくれ!」



 ん?

 立て籠った仲間同士で仲間割れでも発生したのか?

 普通じゃ無い感じだな。

 まぁとりあえず中には入れるみたいだし、これからのことは後から考えればいいか。


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