気持ち悪いです。
※以前よりも明確な人喰いの描写があります!
気分が悪くなりそうな方は読み飛ばして頂いても大丈夫なように次話を投稿しますので読み飛ばして下さい。
初めはソフトな感じですが、中盤以降はハードになっています。
出来たら今日の昼頃にもう1話投稿するつもりです。
「………………」
僕は空気。
そこら辺に充満しているO2。
誰にも認識されないしがないただの気体。
だから僕はそろりそろりと忍び足なんて小賢しい真似をせず、堂々とこの場から立ち去り――――
(待ちなさいよ!私を一人にするつもり!?)
たかったです。
くそぅ。
捕まった。
いや、そんなの知るか!
抑えることを止めた死還人のリミッター解除の力を使う時が来たのだ!
(ガーウ! (頑張れ!僕は立ち去る!お前のことは忘れない!))
(ちょっ……!?この……!逃がさないわよ!)
何!?
ガチでリミッターを抑えるのを止めた僕の力と人間の美桜が同等……いや、違う!
そう言えば言ってたなこいつ!
半死還人は任意でリミッター解除が出来るって!
クソ!
離せ!
『あっ……あぁ!圭司……!』
『くっ……はぁ!綾、音!』
『ふ、ふ……いい……男ね……!あっ!くっ!……なよなよした、拓也とは……大違い、よ!あぁっ!あんな奴……死んでくれて、せいせい……したっわっ!んぁっ!?』
馬鹿人間がっ!
火に油を注ぐようなことを!?
頼むから止めてくれ!?
見ろ!
「ガガガ…… (はは……ははは……ははははは……)」
これだけ近くに人間が居るのに、人喰い衝動が起こって無いんだぞ!?
絶対的な死還人の本能をショックが上回ってるんだ!
これ、マジでヤバイって!
(ウガー! (美桜!教えてくれ!)
(何をよ!?)
(ガー! (本能を上回る強い感情に支配された時、人間はどうなる!?))
(そんなの、暴走するに決まってるじゃない!)
だよな!?だよな!?
大体そんな感じだよな!?
なら、こいつをこのまま放っておくのは……
「ガ……ガ (綾音……君は僕のことをそんな風に思っていたんだね……はははは……はははははははは)」
ヤバい!
早く車椅子を遠くに―――
「ガガガ (ははは。いいよ。それでもいいよ。僕は構わない。僕は君のことを愛している。君が他の誰かに抱かれようとも、僕は気にしない)」
嘘だろ!?
立てるの!?
え!?
(ウガ!? (おい美桜!?なんで拓也は立てるんだ!?))
(想いの強さが……憎悪が不可能のを可能にした、の?)
どこの主人公だっ!?
「ガガガ (だって……僕達は一心同体。そうでしょ?綾音。だから僕は、君を喰べてあげる。裏切り者を蹂躙して、その上で君を喰べてあげる。それで僕達は一つになれる。さぁ……行くよ!)」
あ、駄目だ。
うん。
「ガ (美桜)」
「えぇ」
「ガウ (諦めよう)」
「えぇ。好きにさせてやるしかないわ。私でも、これは殺意が湧くもの」
拓也はその場に思いっきりしゃがむと、全力でジャンプをする。
高高度に飛び上がるとそのまま二人が居る庭に着地する。
それと同時に、
「キャァァァ!!?え……あ……その顔……拓也!?」
「た、拓也!?これはその……クソ!悪いがゾンビになった君を庇うことは出来ない!悪いがその頭、潰させてもらうぞ!」
女は拓也の存在に恐怖をし、男は即座に臨戦態勢を取る。
が、
「ガ (……圭司。僕は君のことを親友だと思っていた。いや、こんな世界にならなければ今も君は僕の親友だっただろう。だから、残念だよ)」
「イヤァァァァァァ!!?圭司!圭司!?」
拓也は着地の衝撃を体に流すと、そのまま男に駆け寄り、男の首をパンチで吹き飛ばす。
力を失った男の体はバタリと地面に倒れ込む。
うわ……
グロ……
「ガ…… (綾音……)」
「いやっ!来ないで!近寄らないで!マジで止めて!来ないで!キモイから!あっ!止めっ!いや、ちょ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
そして拓也は女の体にかぶり付き、咀嚼する。
右足の爪先からゆっくりと、上に向かって。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!?」
「ガ (ふふ。綾音の体、美味しいよ)」
女の絶叫が辺りに響き渡る中、拓也は心底美味しそうに……いや、嬉しそうにクチャクチャと音をたてながら女の肉を喰らっていく。
「いやぁぁ!いやぁぁ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……私が悪かったから私が悪かったから許してぇぇぇ……」
「ガ(勿論だよ。僕は綾音のことを許すよ?だから、頂きます)」
右足を全て喰べきると、次は左足に移り、そこも喰べ終わると今度は右腕に移り、そこも喰べ終わると左腕に移り、女の体を順番に喰べていく。
あぅ……
これは流石に僕も……気持ち悪くなってきた……
うぇぇぇ……
「私……恋人居なくて良かった……半死還人で良かった……うぷ……」
美桜も同じみたいだな……
「へぁっはぁっふっあっあぁっふっふっころしてころしてたべてはやくはやくころしてわたしをころしてはやくたべてころしてはやくはやくはやくおねがい」
女の方は既に気が狂ってしまっている。
にも関わらず拓也は
「ガ (美味しそうな声で哭くんだね。ふふ。いいよ。やっぱり綾音は僕と一緒に居たいんだね。望み通り喰べてあげるよ」
依然として嬉しそうに女に語りかけている。
傍観なんかせずにちゃんと止めておけば良かった……
これはちょっと……
「ごめん。私もう無理……!」
「アウ…… (悪い。僕も無理だ……)」
僕と美桜はあまりの気持ち悪さにその場から立ち去ることに決めた。
立ち去る瞬間、女の鋭い断末魔と、何かを砕くようなバキバキという音と、液体が飛び散る音が聴こえた気がするが、僕は何も聴いていない。聴こえていない。
「…………!…………!!!……!」
僕はグロッキーな状態の美桜を担ぐと、近くの民家に入り、一度休憩させることにした。
拓也が僕らの元に戻ってきたのはそれから二時間ほどした後だった。
表現がどこまで許されるのか……
物語上仕方が無いとはいえ、少しやってしまった感はあります。
不快感を感じられた方が居りましたご報告下さい。
前書きでも書きましたが、今日の昼頃に出来たらもう1話投稿致します。




