Act.0 プロローグ
※WARNING
この作品はフィクションです。
登場する人物、地名、組織名はすべて架空のものです。
実際の車の運転は交通ルールを守り、
安全運転を心がけましょう。
かつて…首都高には孤高の走り屋と呼ばれた者たちがいた。
“十三鬼将”
そして、悪魔、怪鳥、女神と呼ばれた“三幻士。
しかし二年前、彼らを打ち破った者がいた。
その名は、【偉大なる者】。
鬼神の将と悪魔が敗れ、彼らが姿を消すと同時に、彼も姿を消した。
……まるで、もうこの場所に興味がなくなったかのように……。
だが、物語の終わりは、同時に物語の始まりを意味していた……。
* * *
とある解体屋
そこは、今は使われなくなった車たちの墓場。
そこに、1台の車を見つめながらたたずむ2人の男がいた。
「…本当に処分するのか、こいつ?」
ふと、一人の男が隣にいるもう1人の男に問いかける。
「あぁ。確実に解体処分してくれって頼まれてるからな…」
もう1人の男がそう答え、再び目の前の車に視線を落とす。
その眼には、車に向けての哀れみと悲しみが映っている。
「さて、じゃ、俺帰るわ。ひきとめて悪かった」
「いや、大丈夫だ。じゃあな、また」
そう言い残し、男たちは去って行った。
その場に残っているのはさっきまで男たちが見ていた1台の車だけ。
しかし、幻影だろうか、車の助手席に1人の少女が映っている。
その少女はただ泣き続け、ひたすら呟いていた。
「嫌だ・・・・・・もうこれ以上傷つけたくない……誰か……助けて……」