第三章:出発の準備(其ノ二)
「炯香・・・どこへ行くつもりですか?」
「え?・・・」
「室に戻って寝なさいといったばかりでしょうに・・・」
「え?いやだなあ・・・室に戻るんですよ・・・」
「嘘を仰いますな・・・」
「・・・・・」
「おまえの室はいつ門の近くになったのだ?」
(・・・お前の負けだあきらめろ・・・)
「はい・・・すみませんでした・・・」
「分かったなら良いのです・・・早くお休みになってください」
「・・・御意・・・」
そういうと炯香は渋々室に戻っていった・・・
「ちゃんと寝てくださるかしら?」
「大丈夫でしょう・・・一服盛っておいたので・・・」
「そろそろ効いてくるのでは?」
「あの・・・?何がです?」
「紗代知らないの?睡眠薬ですよ・・・」
「ああ、って・・・え!」
その頃炯香は・・・
「あーもう、寝ろ寝ろったって無理だし、心配で・・・」
(また起こしてやるから・・・寝とけ!)
「いやだね・・・」
フラッ・・・
「なんか急に体が重くなってきた・・・なんでだ?」
(本当は眠いんだよ・・・きっと)
「うわっ目が開かない・・・」
(だから寝とけって・・・)
「いやだ!い・・や・・・だ・・・」
スースー
(あ、寝た・・・ったく気付けよな・・・睡眠薬盛られたんだよ・・・)
〜数時間後〜
「寝てしまったのか?なにやら妙な夢を見たような・・・」
(そりゃもう、ぐっすりと)
「おい!今何時だ?」
(1時30分になるな・・・)
コンコン
読んで頂きありがとう存じます。
更新が遅れてしまったことお詫び申し上げます。
灯籠