第二章:炯香の正体(其の二)
〜炯香の室〜
(本当にアレで紗枝殿の娘か?・・・幻覚じゃないのか?)
「本当に紗枝君の娘だよ・・・その証拠に父上にも少し似ている・・・」
(で?お前、囮を引き受ける気か?)
「じゃなかったら徹夜して弛緩剤とか睡眠薬とか作るわけないだろう?」
(それもそうだな・・・でもお前、どうやって飲ませる気だ?)
「たぶん紗代であるか調べるために、料理を作らされると思う、その中に仕込むんだよ」
(毒味させられて自分で飲んで終わりじゃないのか?)
「だから解毒薬も作ってるんだよ!」
(そっちのゴポゴポ言ってるほうか?)
「そうだよ、飲んでから出発すれば即効性じゃないから2日間は大丈夫!」
(さすが、とでも言おうか?)
「そんな言葉はいらんから少しは手伝え!」
(無理だ!私は犬だぞ!)
「はぁ?いまさら何言ってんの?人化すればいいじゃん。」
(ちっ、気付きやがったか・・・)
ボンッ
「何か言ったか?」
「いや、別に?」
「おいおい。その姿のとき位言葉遣い直しなよ!」
「いいじゃん、別に」
「良くないよ、お前の言葉遣いがうつるだろ?」
「そーいえばお前が捕らえられてるとき私はどうすればいい?」
「あ、話そらしたな?・・・牢番にでも化けていればいいじゃん!」
「了解!」
「よっしゃっ!出来たー」
「じゃあ寝ろ」
「今何時だと思ってる?」
「大丈夫起こしてやるから」
「じゃあお言葉に甘えて・・・おやすみー」
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灯籠