第二章:炯香の正体(其の二)
「私は、今は滅びた西の国の王なのです。」
「え?王様?」
「あの、この国の王族の遠い親戚の?」
「ってことは通り名は紗羅様?」
「だから態度を変えないで下さいませ、それとその名で呼ばないで下さい。」
「じゃあ今までどおり、炯香、と呼ばせていただきます」
「数々のご無礼謝罪いたします。」
「いまは王といっても何の価値もない人間よ。」
「ですが・・・」
「それと貴女は国王なのですよ、ペコペコ人に頭を下げてはなりません。」
「民の居ない王が何の価値があるのですか!!!」
「私達は貴女の民ですよ。それに、どうやら貴女は民が全て死んでしまったと思っているようですが、ほとんどの民は私が非難させましたから。」
「さすが炯香!」
「では、明朝出発致しましょう。」
「そうですね。」
「じゃあ僕はもう遅いので寝まーす。」
「おやすみなさい箔、琴李ももう寝たら?」
「俺も自室に戻るとしよう・・・・・・。」
「奨霖がいないならねるぅ・・・」(つまんないし)
二人はそれぞれの室に戻っていった
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「紗羅様・・・」
「ごめんなさい、騙してたようなことになってしまって・・・。」
「いいえ、貴女がご無事だったという事で十分ですよ・・・」
「それに謝らなければならないのは私のほうです貴女の国が滅びかかっているときに・・・何もして差し上げられなかった・・・。」
「そんなに気にすることはないです・・・我が国の、いえ、私の力不足だったのですから」
「そういっていただけると少しは気が楽です・・・ありがとうございます。」
「貴女とかかわってしまった以上、私は全力で貴女を護衛します・・・。」
「そんな・・・恐れ多い・・・です。」
「この国、いえ、この世界を救ってくれそうな貴女を死なせるわけにはいきません。」
「やはり貴女は薇莠様に似ていらっしゃる・・・気高い魂の持ち主でいらっしゃるのですね・・・。」
「・・・・・・。」
「出過ぎたまねをいたしました・・・申し訳ございません・・・。」
「いいえ・・・それより今日はもう遅いですし私は先に失礼します・・・。」
「おやすみなさい。」
「ええ、また明日・・・。」
そういうと炯香は室に戻っていった・・・
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灯籠