第二章:炯香の正体(其の一)
「紗代!分かったら早く東ノ国に文をだして国境で待ち構えている奴らを騙せ!」
「うっうん!」
「あっ紗代!紗代の得意なことを炯香に伝えといて!」
「?・・・分かりました!」
「えー他にもやんなきゃいけないの?」
「炯香っ言語!」
「は、はいいっ。」
「私の得意な事はですね。お琴、お華、お茶、それから・・・笛、琵琶、位でしょうか・・・」
「すごいっ!すごい!さすが紗代っ。」
「僕も琴は出来ないな。」
「えー他全部出来るの?」
「その位は嗜んでいます。」
「じゃあ今度教えて!」
「いいですよ。」
「やったー」
「だ、そうだがどうするつもりだ?炯香。」
「逆に苦手なものは?」
「弓だけです。」
「それなら何とかなりますわ。」
「えっ?炯香、琴、華、お茶、笛、琵琶全部出来るの?」
「ええ、嗜む程度には、もちろん弓もできますよ。」
「え?嘘でしょう?」
「琴李、箔、お前たちこいつが・・・何者なのか知らないのか?」
「こいつは・・・」
「言うな!子供に教えてやる必要はない!」
「子供って!ひどいですっ。」
「そうよ、私達だけ仲間はずれなんて!」
「あのーすいません私も知りませんが・・・。」
「国王陛下には言っておくべきなのではないか?」
「・・・。」
「お言いなさい!これから仲間として一緒にすごすのですよ!」
「わかった言いましょう・・・しかしそれを聞いたからといって態度が変わったら承知しませんよ!」
「分かっています。」