第六章:迎え
数分後
奨霖たちが王室に入ってきた。
「失礼いたします。」
「お初にお目にかかります、紗代と申します。」
「どうも。」
「人の国のものをさらっておいて全く呑気な帝だな。」
「炯香を返しなさいよ!!!帝だかなんだか知らないけどこのろくでなし!」
「もちろんお返しする。久しぶりに昔の話が出来て楽しかったよ。炯香」
「私も楽しかったよ。穎弥。」
「あれぇ?お二人知り合いなんですか?」
「ああ昔なじみでな。」
「ほんとにそれだけ?」
「琴李。人には他人に知られたくないことの一つや二つあるものだよ。」
「否定はなさらないのですね。炯香」
「紗代まで・・・そうそうこれからは南ノ国には手を出さないでいただけるらしいぞ?」
「もちろん私はお前に会うために情報をききつけて手を出し―」
「ああーとにかく説得しといたから。」
「さすが、炯香。」
「あ、でもお前の出かた次第だということを忘れないように。」
「はいはい。」
「私はまじめにだな・・・」
「くっくっく。痴話喧嘩はそのくらいにしておけ。」
「な、痴話喧嘩だと?ふざけるな奨霖!!!」
「ふざけてなどいないよ?ね?琴李?」
「う、うん!」
「僕もそう思います」
「誰が見ても痴話喧嘩に見えるかと」
「言うようになったなぁ。紗代?」
「そうですか?」
「さて、私たちは帰らせてもらおう。」
「そうですね、炯香」
「え、もう?」
「長居は出来ぬ・・・」
「で、でも・・・」
「あーわかったよ、また来るからそれで勘弁して?ね?」
「むー・・・わかった。」
(子供か?)
「さよならー」
「また来るんだよな?」
「くどい。」
そのことばを最後に炯香達は暁ノ国を後にした炯香たちが南楼城についたのはもう日も傾いた頃だった・・・