第四章:囚われの姫(其ノ三)
「まあ、いいやお前に会えただけで嬉しい・・・。」
(やっぱりバカだ・・・それも手のつけようのない)
「そりゃどーも、でもいいのか?紗代はきっともう東ノ国についているぞ・・・」
「いいのだ・・・ひさしぶりにお前に会えたしな・・・。」
「・・・・・」
(もう何も言うまい)
「それに、紗代殿をさらおうとしたのはお前に似ていたからなのだ。」
「言っておくがお前の妃にはならないぞ?」
「なんでだ!」
「いい加減私離れをしてくれよ、先ほど、家臣達が嘆いていたぞ帝が誰も娶らないと」
「誰も娶る気はない・・・」
「妾妃もか?」
「もちろん。」
「お前は私の顔がいいのか?」
「違う!」
「ならば、なぜ紗代を?」
「・・・顔が似ているからお前の親戚だと思ったのだ・・・だから・・・紗代殿をさらえばお前が助けにくるかと・・・お前は強いから。」
(まあ間違ってはいないが・・・)
「飽きれて怒る気もうせるわ!!!」
「でも、こうして私の前にはいるじゃないか?」
「うっ」(それを言われるとなんとも言えん・・・。)
(馬鹿に一本とられたな)
「私はお前意外の女を娶る気はない・・・だから・・・どうか私の妃になってくれ・・・」
「嫌だ!」
「そんな・・・」
「泣くな!少しの間・・・私の仲間が来るまでは側にいてやるから」
「うぅ・・・はい」(やったぁ・・・)
「まさかお前が暁ノ国ノ王だったとは思わなかったよ・・・。」
「ああ、あのときは西ノ国に母上と遊びに行っていたときにはぐれたから・・・。」
「だから泣いていたのか・・・。」(泣かれると弱いんだよ)
「むぅ・・・わるいか?」
「べつに悪かないよ・・・。」
「・・・・・・。」
「もし、もしもだお前が紗代をさらわないで、この国いや、南ノ国と暁ノ国が平和で、私が生きていて、暇で暇でつい毎日楽を奏でるようなそんな日がきたらそのときは・・・」
炯香の目から涙が頬を伝っている・・・
「そのときは?」
「お前の妃になってやってもいいよ・・・。」
読んで頂きありがとうございました。
更新遅くなってすいません。
灯籠