第一章一話『魔法使い現る』
第一話!
にゃーぉ
広場では中央で大きな噴水が水を勢いよく噴き出していた。
屋台が並び、辺り一帯から様々なものの香りがする。
焼きたてのパンの匂いから香辛料やハーブ、炭火で焼かれている肉など多種多様だ。
頭の上にある猫耳がずっとムズムズする。
子供たちが楽しそうに走り回る音、屋台での売り込みの大きな声が今までよりはっきりと聞こえていた。
触れてみるとやはりしっかりと頭についている。
ちゃんとした体の一部として。
少し離れたところに見える大きな城。
今までテレビや本などで見た城よりもさらに大きい城だ。
綺麗な純白の壁、何個もたっている高い塔、周りに広がる巨大庭園。
庭園がでかすぎてこの町と城の間に草原があるかのようにも見える。
ドオォォォン!!!
突如少し離れた住宅街のほうから大きな爆発音がした。
「え?」
周りの人々ははいつものことのようにやり過ごしている。
少し気になったから近くにあった屋台の店主に聞いてみることにした。
「あの・・・すみません。さっきの音って何だったんですか?」
「ああ、あれか。最近来たポンコツ魔法使いの仕業だ。理屈はしっかりしてるのに、才能だけがなぜか追いつかなくて暴発ってオチさ」
言葉は通じるらしい。
もっとも文字は日本語じゃなかったから読めないけれど。
「ありがとうございます」
「おう、これくらいのことならまた何でも聞いてくれよ」
とりあえずさっきの爆発音がしたほうへと向かうことにした。
着くとそこには黒焦げた石壁と腰が抜けて固まってしまっている多分異世界のチンピラらしき人たち。
そしてぶっ倒れている魔法使いがひとり。
「誰?何しに来たの?」
と言った瞬間、魔法使いは気絶した。




