夜の過ごし方
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大きいパイをご飯として食べたせいで夜になってもお腹は空かない。お風呂に入ったあとは3人ともハーブティーを飲みながら、思い思いの夜を過ごす。ジェイドはアロマを焚き、マチは読書。マリは日記を書いている。毎日の日課だ。夜はこうしてのんびりとした時間が流れる
「今日は満月ですね」
窓の外には大きくて真ん丸な月が浮かんでいる。星も綺麗に輝いている。暖炉の焚き火の音以外に耳を澄ませるとフクロウの鳴き声が聞こえてくる
「鳴き方が下手なフクロウがいるな」
フクロウの使い魔であるマチだからわかる事だ。
「ねぇ、明日は秋の「食料採り」に行かない?」
「いいな、行こう」
「いいですね!楽しみです」
明日の楽しみができた。3匹はすでに夢の中だ。よし、そろそろ寝よう。
大きい特注のベッド。実は3人同じベッドで川の字になって寝るのだ。マリがもちろん真ん中。
「2人に挟まれると温かくていいんだよね」
「寝心地は大丈夫ですか?」
「このベッド、大きいから全く問題ないよ」
「毎日ご主人の隣で寝れるからな、幸せだ」
「私もふたりと一緒にこうして眠って生活出来て幸せだよ…」
いつの間にか3人は夢の中に落ちていた
~
そして3人揃って日が昇る前に目が覚める。朝はとにかく冷え込むから、目が覚めてからすぐに薪に火を付ける。
「はぁ…寒いね」
「今紅茶入れるからな」
マチが紅茶の準備をする。綺麗な鳥のさえずりが聞こえる
「さ、寒い」
ジェイドがいちばん寒さに弱い。ふわふわのタオルケットを羽織って1番暖炉に近い所に座っている。日が昇るまでの辛抱だ。紅茶も入れ終わった
「この紅茶美味しいね、カモミールだ」
「いい匂いですね、癒されます」
まろやかで非常に口当たりのいい紅茶。マチは角砂糖を3つ入れて飲む
「うん、美味い」
徐々に日が登り始める。今日の朝ごはんは、パンの上にチーズを乗せて暖炉で溶かしたものと、ビックホーンピッグのベーコンとソーセージ、目玉焼きとサラダ。
「いただきます」
パンにチーズはシンプルで何にでも合う。とろりとチーズが溶け、程よい塩気が良い。
「うん、どれも美味い」
「ベーコンにチーズパンが合いますね!」
マリ達の朝ごはんはシンプルだ。朝からそんなに食べないのだ
朝ごはんが終わると早速、「食料採り」の準備をする。マジックバックに切れ味のいいハサミを入れて
「よし、行こうか」
家を出て幻樹の森を歩くと、紅葉も終わり葉が散り始めていた。今のうちに食料などを貯めておかなければならない。冬は暗く、降雪量も多くとても寒いのだ。
冬ごもりの準備、と言ったところか
「あ、ボガルンダが生ってる!」
ボガルンダとは木になっている桃色の果物で、熟すととろけるように柔らかく甘いのだ。皮ごと食べることが出来る
「熟しているみたいですね、取りましょうか」
ボガルンダの木は比較的低いので取りやすい
「ザラキアも生ってるぞ」
ザラキアはボガルンダに似ている黄色の果物。こちらも甘くて美味しい。どちらもマチの好物だ。3人それぞれのマジックバックに果物を詰める。あらかた果物は取り終えて、再び歩く
オリジナルの果物や魔獣を書くのは難しいですが楽しくもあります




