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日が登り、昨日の残り物を食べ終えた3人と3匹。風は少し弱まったらしい
「よかった。日も出てきたみたいだし」
雲の隙間から日差しが差し込む。草木が光に照らされ、幻想的な木漏れ日が降り注ぐ。窓を開けると冷たい空気と共に柔らかな森の匂いがする
「気配がするな。そろそろ来るぞ」
昨日作った羽生え薬と、あらかじめ作っておいた魔法薬、そして魔法薬になる材料をテーブルに置く。チリン…チリン…鈴の音がする、彼は毎回鈴を着けてくる。
あらかじめドアを開けておく
「いいよ、入って」
マリよりも小柄な白髭を伸ばしたドワーフが立っていた
「よぉ、マリ。マチにジェイド、元気にしてたか?」
「うん、変わりないよゼンリ」
「久しぶりだな」
「お久しぶりでございます」
ゼンリと言うドワーフは、ドカッと床に重そうなリュックを置くとイスに座り、ホッとした表情をしたと思えば眉にシワを寄せた
「そういやマリ。魔族の話は聞いたか?」
「魔族…がどうしたの?」
ゼンリはゴクリと唾を飲む。
「あぁ、パルサバ村が魔族にやられたって話だ」
「パルサバ村って、妖精たちが住んでる小さな村か」
マチが眉を上げる
「最近、魔族による被害が増えてきてるようでな」
「なるほどね…」
落ち着いた様子で紅茶をすするマリ
「マリよ。まるで他人事のようじゃないか」
「あまり私には関係ないからね」
「はぁ、全くお前さんは」
深くため息を着くゼンリ
「小さな村が1つ滅んだくらいで何も変わらないよ」
「なんてことを」
「それが歴史ってものだよ」
「ワシも5000年以上生きていればそうなるものなのか…」
ゼンリは理解し難いと言う顔をするが、マチとジェイドはいつも通りだ
「だって、人間から見たら私達も魔族でしょ?」
ゼンリは目を見開いた。そして何も言えなくなってしまった
「大丈夫だよ、人間に危害が加わるようだったら大型ギルドが動くから」
「コホン…確かにそうじゃな…。気を取り直して商品の売買をしよう」
テーブルの上に置いてある羽生え薬に透明薬、もちろん普通の回復ポーションを見てゼンリは
「ほぉ…やはりお前さん達が作る魔法薬はどれも高品質じゃのう。ここに出てる分全部買い取らせてもらおう。金貨1枚に銀貨5枚でどうじゃ?」
「え、そんなにいいの?」
「もちろんじゃ。お前さん達の魔法薬は人気が高いんじゃ」
「そっか。それは嬉しいな、ありがとう」
マリもゼンリが持ってきた魔法薬の材料や食料を全て買ったのだった
「それじゃあ、また来るからな」
「うん、またね」
おもそうな荷物を背負って鈴を鳴らしながらゼンリは行ってしまった…と思いきや戻ってきたのだ。何か忘れ物でもしただろうか
「どうしたの?」
「言い忘れていたが…パルサバ村に悪魔族が住み着いたって噂がある。まぁ噂だがな。じゃあ今度こそまたな」
※あとがき
お金
銅片=1円
銅貨=10円
銀貨=1000円
金貨=10万円
大金貨=100万円
白銀貨=1000万円
という設定です




