豪華な夜ご飯
妖精たちと会話もして気分も晴れやかになった所だし、夜ご飯は豪華にドラゴンのステーキだ。ジューっと焼けて、バターとガーリックの匂いが香ってくる。ドラゴンの肉は少し硬いのでマリはワインに24時間漬け込むのだ。そうする事で柔らかくなって、パサつきも出ず、旨みが増す。外はしっかり焼き、中はミデュアムレアで焼き上げる
「はい、ドラゴンのステーキとポチカだよ!」
※ポチカはこの世界でよく食べられるパンの事
「いただきます」
食べてみると噛んだ瞬間に肉の旨みがジュワッと口いっぱいに広がって、とろける様な柔らかさがある
「美味いな、ドラゴンの肉がこんなに柔らかくなるのか!」
「肉のパサつきが全くなくて美味しいです!」
「食べ応え抜群ですね」
「羽の付け根の肉だから、もも肉と似てるね」
ドラゴンの肉を堪能して、すっかり有頂天だ。食べ終わって落ち着いたらその後はミルク風呂に入る
「ふんふふーん、今日は楽しかったな~」
お風呂の中でも上気分なマリ。この森の守護者としてたまに妖精たちと話したり、この森自体と対話をする事があるのだ
「ご主人様が幸せそうで何よりです」
一緒にお風呂に入っていたダリアも上気分になる。主人の幸せが1番だからだ
「お風呂上がったよ」
「ミルク風呂のおかげで髪も肌もツヤツヤです」
皆お風呂から上がったら、マリ特製のバニラアイスが待っていた
「うん、美味いぞ!」
「濃厚ですね!」
「ミルクと卵の味が濃くて美味しいです」
「うん、やっぱり熱いお風呂上がりはアイスだよね」
アイスを堪能してさらに有頂天になる。その後はアロマを焚いたり、本を読んだり、日記を書いたりでそれぞれの時間にゆったりと浸る
「このラベンダーとカモミールの香り好きだなぁ」
「落ち着くな…」
幸せな夜時間。ついでにハーブティーも入れて、自然に眠気が来るのを待つ。
「ご主人は日記に何を書いているんだ?」
「ふふ、秘密だよ」
「ふぁぁ、眠くなってきました」
大きなあくびをしたダリアが最初に眠くなって部屋に戻っていった。夜が更けて、ふくろうが鳴いている。
「さて、そろそろ私たちも寝ようか」
片付けて、歯磨きをしてベッドへ横になる。いつもと変わらず3人並んで。マリは真ん中
「今日はいろいろありましたね」
「そうだね、良い一日だったよ」
「ご主人、おやすみ」
「うん、2人ともおやすみ」
「おやすみなさい」
そして3人も眠りについた。春の森を妖精たちと一緒に探索している夢を見ていたのだった
翌朝、日が昇る前に起きる3人。まだ外は暗く、静寂の中で暖炉がパチパチ音を鳴らす。今日もまた冷え込んで、外では雪が降っている。
「そういえば…今朝起きた時、何かに髪をひっぱられたんですよ」
「俺もだ」
「2人もなんだ。私もだよ、小さな妖精さんの姿が見えたんだけど…恥ずかしがり屋さんみたいだね」
どうやらハウスフェアリーのようだ。住み着いているらしい
「いろんな妖精が住み着いていますね、住み心地が良いのでしょうか」
「まぁ、ご主人がいるからな、安心なんだろう」
ジェイドがジンジャーティーを淹れてくれ、体の芯から温まる。すると小さな妖精が姿を現した
「あら、妖精さん。あなたも温まりに来たの?」
「…はい。ごめんなさい、住み着いちゃって。邪魔じゃないかしら…」
「全然そんなことないよ!ずっと居てくれて構わないから」
「お名前はなんと仰るんですか?」
「ミルティと言います」
「そっか、ミルティ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
礼儀正しいハウスフェアリーだ。緑色の服を着ていて、髪の色は金色。小さな小さな妖精だ。ミルティと会話をしていると徐々に日が昇り始め、木漏れ日に陽の光が差し込んでくる。それが雪に反射してキラキラしている
「よし、そろそろ朝ご飯を作ろうかな」
「どんなご飯なんでしょう、手伝わせて貰えませんか?」
ミルティがそう言うので一緒に料理をすることにした。ベーコンに目玉焼き、サラダとクロワッサン。オレンジジュースとコーヒー。これで準備は出来た。ダリアも起きてきたので、テーブルに運ぶ
「美味しそうです…」
ミルティが目を輝かせているので、早速食べよう
「ではいただきます」
「うん、分厚めのべーコンの塩気とブラックペッパーが効いてて美味い」
「目玉焼きはやっぱり半熟ですよね!」
「美味しいです」
「うん、クロワッサンも外はパリパリ、中はしっとりしてて美味しい」
「………」
お腹が空いていたのだろう。ミルティは真剣に食べている。そしてブラックコーヒーを飲む。
「やっぱり朝はブラックコーヒーですね…美味しい」
「凄いな、俺なんてミルクに角砂糖何個も入れているのに」
ブラックコーヒーを飲むハウスフェアリー恐るべし。朝からキメている。
「朝からブラックコーヒーを飲むと目が冴えて、頭もキレるんですよ…すごくいい飲み物です」
「ミルティは凄いね」
「いえいえ、大した事ございませんよ。これが好きってだけで」
大人びている。一体どのくらい生きているのだろう
「私、まだ500年ほどしか生きてないんですよ」
「500年も!凄いですね」
「妖精の中ではかなりの年上なんじゃないか?」
「どうでしょうね、うふふっ」
…こうしてマリ達の朝は始まるのだった




