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お正月

翌日、魔光石おみくじをやる事にした。魔光石おみくじとは、白い魔光石を割った光の色によって吉、凶を占うものなのだ。白い魔光石はとても脆くて手で折れる。紫が凶、青が吉、黄色が大吉と言ったところだ


まずはマリから。パキっと魔光石が音を鳴らすと青い光が放たれた。


「吉だね」


次はマチ。力を入れすぎて粉々になってしまったが、ちゃんと黄色く光が放たれている


「大吉だった」


「マチ、凄いね!」


その次はジェイド。割った途端に虹色に光り輝いた


「え?これはどういう…」


「ジェイドおめでとう!特大吉の演出だよ!」


「ええ!?凄いですね!」


そして最後にダリア。結果は紫、凶だった


「………」


「そんなに落ち込むことないよ、うちには幸せを呼ぶけだまスライムが居るんだから、ね?」


「モキュッ!」


「…そうですね」


ものすごくガッカリしていた。耳がぺたん、となって尻尾がピクリとも動かない。


「そうだ。じゃあこれダリアにあげるよ」


と言うとマリはダリアにけだまスライムのぬいぐるみを渡した。


「…あ、可愛いぬいぐるみだ!」


途端に耳がピンっと跳ねて尻尾を勢いよく振った。余程ぬいぐるみが好きなのだろう。ぬいぐるみに頬ずりをしている


「ご主人様、ありがとうございます。私今、吉が舞い込みました!」


「よかった、私が作ったぬいぐるみなんだ。可愛がってね」


喜んでくれてよかった。ちなみに朝ごはん、お昼ご飯はもう済ませている。今は午後だ。自家製のブライトニングハーブティーを入れて落ち着いている所だ。ブライトニングハーブは風邪予防、美肌効果が期待される


「このハーブティー結構まろやかで美味しい」


「香り高いな」


気分によってミルクや角砂糖を入れるが、マチとジェイドは必ず角砂糖を3つ入れる。甘いのが好きなのだ。

皆和んでいると、ドアが鳴った。開けるとそこに居たのはケット・シーのジャルミンだった。


「あけましておめでとうにゃ。新年の挨拶に来たにゃ」


紳士の格好をしたジャルミンを家の中に入れた


「久しぶりだね、あけましておめでとう」


「そうだにゃ。1年ぶりかにゃ?…そうにゃ、お土産を持ってきたにゃ。みんなで食べるといいにゃ」


ジャルミンがお土産にシュークリームを買ってきてくれた


「これ、1つは辛いやつにゃ」


「え、ロシアンルーレット的なやつ?」


「皆さんで楽しんで欲しいと思って買ってきたのにゃ」


「そっか、ありがとう」


ジャルミンにはホットミルクを出してあげた


「ご馳走になるにゃ」


「このシュークリーム、5個入りだよね。せっかくだからジャルミンも食べない?」


「にゃっ!望むところだにゃ!」


5人でロシアンルーレットをする事になった


箱に入ったシュークリームを出すと結構大きかった。中に何が入ってるんだろう…


「食べたいものを指さしで決めようか」


せーの!で指を指したが誰ひとつ被らなかった。これは奇跡だ


「またせーの、で食べるよ」


せーの!あむっ。


「うん、カスタードクリームだな。美味いぞ」


「美味しいですね!」


「濃厚な甘さ…好きです」


「うん、美味だにゃ」


「ううう辛い!辛いよぉ…水、水!!」


どうやらマリが当たりを引いたようだ。中には、わさびが入っていた。マリが涙を流しているのでマチとジェイドが心配して水やら牛乳やらを持ってくる。


「ご主人、大丈夫か!」


「あぁマリ様、なんて事でしょう」


「ゲホゲホッ、だい…じょうぶ…」


未だに涙目のマリ。背中をさするマチ。ぎっしりと詰められたわさび…これはあまりにも残酷なゲームだ


「もう!お土産にこんなもの持ってくるだなんて、ジャルミンさん貴方って人は!」


珍しくジェイドが激怒した。


「す、すまないにゃ…面白がってくれると思ったのにゃ…そんなに辛いとは想像もつかなかったのにゃ…」


悲しそうに耳を垂らすジャルミン


「だ、大丈夫だよ。まさかこんなに辛いとは思わなかったけど、皆が引かなくて良かった」


「にゃあ、なんて優しいのにゃ…」


マリの心の広さにジャルミンは目をウルウルさせた


「今度はまともなものを買ってくるにゃ!」


ジャルミンはそう決心した。そうしてしばらくジャルミンと話していると日が暮れてきた。ジャルミン、ご飯食べてく?と、マリが提案し食べていくことにした



「コカトリスのチキンバーガーだよ!食べてみて」


「にゃあ!美味しそうだにゃ」


「美味しそう、ではなくて美味いんだ」


「じゃあ早速いただきますにゃ」


食べてみると、ふかふかのパンに挟まれたジューシーなコカトリスの肉とキャベツ、それにタルタルソースが絡み合って美味い


「にゃ~!なんて美味いのにゃ、こんなの初めて食べたにゃ」


「うん、これは美味いな!」


「タルタルソースが合いますね」


「美味しいです」


「うん、これは上出来だね」


皆、また笑顔になった


「ご馳走様でしたにゃ。とても美味だったのにゃ!」


「それは良かった」


「今度はちゃんとしたお土産を持ってくるにゃ。じゃあ、ありがとうにゃ」


「うん、また来てね」


ジャルミンは満足そうにマリの家を後にした。ちなみに、ジャルミンは幻樹の森にある大木に住んでいる。大木の根っこ部分に大きな穴が空いているのだ。ケット・シーはこの世界では珍しく、多分幻樹の森でしか見られないだろう






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