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このままでいるか

家に帰ってくると、皆どっと疲れた顔をして椅子に腰掛けた


「はぁ…まさかベリアルに会うなんてツイないなぁ」


「そうだな…それに魔王が目覚めるのか」


「私達のスローライフを壊さないで欲しいわ…全く。魔王が直々にこっちへくるべきよ」


「確かにそうだな」


「あの悪魔ベリアルに会うなんて…恐ろしかったです…まぁ魔王の方がもっと恐ろしいですが」


「私、ご主人様のお役に立てるでしょうか…」


皆思い思いの事で頭を悩ませていると腹の虫が鳴いた


「腹が空いたな」


「よし、手軽に食べられるものを作ろう」


早速調理に取り掛かる。ふわふわのパンに卵やハム、チーズ、レタスを挟んで調味料を塗る…サンドウィッチの完成だ。もうひとつはシルバーガーリックのスープ


「よし、いただきます」


「うん、美味い!」


「ふかふかのパンに大きめの卵とマヨネーズのまろやかさが合いますね~!」


「ん!ハムの塩味とチーズの深い味わい…美味しいです」


シンプルな具材だからより美味しさを感じるのかもしれない


「ガーリックスープもコクがあるな」


食欲をそそるガーリックの強烈な香り、しかし優しい味わいで体の底から温まる。満足のいく食事だった。

その後、片付けを済ませると悪魔の書を皆で見ていた


「このサターン・ルシファって奴が魔王だよ」


「ひぃ…名前からして恐ろしいです」


「でも私たちが倒さなければならない存在」


「俺は戦いの才能はあまり無いからな…」


「でもマチは地獄の大君主って呼ばれてるぐらいだから、本気を出すと相当強いんだよ」


そう、マチは自分では戦いの能は無いと言っているが

実力はマリの折り紙付きである。一度マリと戦ったことがあるからだ。その時はマリにかすり傷を負わせたが、マリに傷を負わせたと言うだけで相当強いのだ。


「みんな強いよ。私が特訓や訓練をさせたのも実力を上げるためだから。その実力を遥かに上回る結果を出してくれたでしょ。それだけで充分、悪魔とやり合える。」


「俺はご主人のものだからな。…あいつら相手には全力を出すつもりだ。」


「うう、私も頑張ります…」


「ご主人様の役に立てるように全力で!」


みんなの士気が上がっている。マリは勝機があると確信した。今まで一人で魔王と悪魔に立ち向かい勝ってきたからこその自信だ。


「みんな安心してね、私一人でも魔王に勝てるんだから」


5000年以上生きたハイエルフの実力は半端じゃないことを我々は知る事になる。


「今日の夜ご飯は決めた!ヒイズル牛のオニオン増し増し牛丼ね!」


「牛丼か!またあの美味いやつが食える!」


…だが、のんびりライフは今まで通り続くのであった


翌朝、窓の外を覗くと真っ白な光景が目に映った


(夜のうちにこんなに雪降ったんだ…)


ボーっとしていると

「ご主人様、明日はクリスマスですよ!」


と、ダリアが楽しそうにしっぽを振っていた。明日は待ちに待ったクリスマスだ


「そっか、もうクリスマスか…早いね」


ハイエルフにとって1年は1日にすら満たないかもしれない。ただ「この時」を、一日一日を楽しむのみ


「明日は七面鳥にクリスマスケーキ、やることいっぱいだね」


「すごく楽しみです!」


まだ16歳のダリアはクリスマスが楽しみで仕方がないだろう。5000年以上生きたマリですら楽しみなのだから


「ホワイトクリスマスだな」


「この冷え込みだと明日も雪が降りそうですね…」


今日は多分氷点下10℃まで行ってるんじゃないだろうか。暖炉の火を絶やさないように薪を入れる。そしてみんな厚着をする。今朝の朝ごはんはパンとコーンスープ。何らいつもと変わらない。


だが、クリスマスの前の日だからか皆ソワソワしている。まるでクリスマスを心待ちにしている子供のようだ。


(今日はクリスマスイブだから、祝ってプレゼント交換しよう)と、マリは密かに思っている


魔光石に魔力を流すとクリスマスの装飾がキラキラと光り始めた。暖炉の横にある大きなクリスマスツリーが1番存在感がある。


「綺麗だな」


「いつ見ても素敵ですね!」


「わぁぁ……!」


まだ子供のダリアが1番目を輝かせている。雪が降っていて朝でも暗いので、電飾があると一気に心まで明るくなる。


「今年もサンタさん来てくれるかな…」とダリアが言ったので、「うん、お利口にしてたから絶対来るよ」とマリが頭を撫でた。ダリアはまだ「サンタさん」が誰なのかを知らないみたいだ。


(純粋でいい子だなぁ)と、マリは思うのだった。


昼ご飯はマルゲリータピザを焼いた。トマトソースの赤、モッツァレラチーズの白、バジルの緑はまさにクリスマスカラーだ。


「いただきまーす」


「チーズがトロトロでよく伸びる」


「トマトソースの酸味とバジルの爽やかさが合いますね!」


「生地がパリパリな所とモチモチの所があります!」


「うん、シンプルで美味しいね」


朝、昼は軽いものでご飯を済ませた。それは夜に取っておきの物を出すためだ


「夜は楽しみにしててね」


「お、一体なんだろうな」


「楽しみですね」


「わぁ!早く夜にならないかなぁ~!」


ダリアが大きく尻尾を振って、耳を横に倒している。

嬉しい証拠だ


夜になるまでクリスマスの本を読んだり、歌ったりして楽しんだ。さて、肝心の夜までもう少しだ



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