久々のギルドへ
これから2話分更新することにしました
よろしくお願いします
幻樹の森から西に30分歩くと、光の街と言われるシンシャ街がある。そこの冒険者ギルドへ何年かぶりに顔を出す
「久しぶり」
ギルドの受付嬢であるエルフが目を見開いた
「あらマリ様!お久しぶりでございます!ギルドマスター!マリ様がお越しですよ!」
ギルド内がドタバタし、あちらこちらからコソコソ話しが聞こえる
「あれって噂の…」
「永玖の守護者!?SSランクのパーティーじゃねえか!」
扉から出てきたのは茶色い髭を伸ばし、背は低いのに屈強なドワーフだ。
「お前たち久しぶりだな!」
「久しぶりだね、ゼヒネル」
ゼヒネルと言うこのドワーフこそギルドマスターである
「今日は何しに来たんだ?」
「魔法薬と材料を買い取ってもらいたくてさ」
「よしわかった!こっちへ来い」
連れてこられたのは買取専門コーナーだ
「今日はどんなものを売りに来たんだ?」
「回復薬に透明薬、記憶薬、無眠薬…それと」
「すごい量だな!」
「あと、エンシェントドラゴンの爪と牙ににヘルハウンドの爪、ダイヤウルフの皮…あとミミックから出てきた宝石」
「おお…これはすごいな」
量が多すぎたのか応接室に案内されたのだった。どれもこれも高額で買取できるほどの品質でこれ以上のものは無いだろう
「買取に少し時間がかかるが…それでも良いか?」
「うん、街を探索してるからいいよ」
ギルドを後にすると魔鉱石店に立ち寄った。マチは鉱石が好きだからだ
「どれも良い品だな…」
見極めている。特に星写しの魔鉱石に目をつけた
「これは高純度の魔鉱石だな…しかも取れる場所がとにかく少ないんだ」
(マチは石を見ているだけで楽しそうだなぁ…)
マチは星写しの魔鉱石を買った。夜になると石の中に星座が写し出されるものだ。続いて紅茶の茶葉が売ってる店に来た。ジェイドが何かを買うらしい。
「食べられるフルーツティー!?こんな物があるなんて…薔薇の紅茶もいい…買います!」
こうしてジェイドは紅茶の茶葉を手に入れた。続いて向かったのはダリアの大好きなぬいぐるみの店だ
「二ーブールのぬいぐるみ…可愛い…」
二ーブールは主に綺麗な川に生息する動物で、カワウソに少し似ているのだ 。ダリアは二ーブールのぬいぐるみを購入し、とても満足そうな顔をした
「よし、そろそろギルドに戻ろうかな」
「ご主人は何も見なくていいのか?」
「私はみんなの幸せそうな顔が見れて満足だよ」
そう、それがマリの幸せだ。ギルドに戻ると査定は完了していたようだ。
「よう!査定が終わったぞ」
応接室に行くと紅茶が出され、お金が渡された
「大金貨5枚に金貨8枚だ」
「こんなにいいの?」
「そりゃあどれもこれも品質が良いからなぁ!さすがはハイエルフの作った魔法薬だ」
ゼヒネルは紅茶をひとくち飲むとこんな事を言った
「魔族もちらほら出てきているみたいだしなぁ…お前さんたち、もう冒険はしないのか?」
「冒険はすきだよ。また行きたいと思ってる」
「なら、魔王を倒しに冒険に出るのはどうだ?」
「そうだなぁ…でも今の生活も好きだしなぁ」
マリは頭を悩ませる。魔族が増え、魔王がでてきたらマリが倒さなければならない。魔王はマリにしか倒せないのだ
「まぁ、たまには森の外に出て見るのも悪くないぞ」
「そうだね、考えてみるよ」
そうしてギルドを後にした。帰ろうと思い、街を出たところで異様な魔力を感じた
「よぉ、久しぶりだなマリ。そしてストラス」
上から声がした。見上げるとそこに居たのは、黒い羽を広げた美貌を持つ男だった…悪魔だ。
「ベリアル…」
「お前…何しに来たんだ」
すぐさま戦闘態勢に入る。ベリアルは首を横に振った
地上に降りると
「おいおいそんな目で見るなよ…悲しいだろ?」
と、うすら笑みを浮かべる
「そろそろ魔王サマが目覚めるんだよ…だからそれを伝えに来てやったんだ…ストラスさんよぉ、まだ使い魔ごっこやってんのか?」
…ストラスと呼ばれているのはマチだった。ストラスは悪魔の名前だ。ふくろうの格好をし、使える人の前では人の姿を取る
「…ご主人に召喚されて俺は契約を結んだんだ。お前とは違って、人をいたぶり命を奪うことはしない」
「ストラス、お前は天文学に薬草学、鉱物学が得意な博識な奴で人の命は奪わない…はぁ…ガッカリだよ。何の面白みもない」
「人の命を奪って何が面白いのか俺には理解しかねる」
ベリアルは深いため息を吐く
「ところで…マリ、俺のところには来ないのか?」
どういうことなのか。理由は不明だがマリは以前から悪魔であるベリアルに求婚されているのだ。
「渡すわけないだろ。俺のマリだ」
「ふーん、そうか。要するに…お前マリにゾッコンなんだな」
何を言われようが顔色一つ変えないマチ。ジェイドとダリアは話に入っていけないようだ
「まぁいい…すぐに魔王サマが目覚める。マリは俺達のものになる」
そう言うと羽を広げ羽ばたき、瞬く間に消え去ってしまった
「私は魔王のものにはならないけどね」
とマリはウンザリした顔を見せた。ジェイドは震えながら涙を流し、ダリアは心配そうな顔をした
「大丈夫だよ。私、魔王なんかより強いから。でもびっくりさせたかな、マチが悪魔だって知って…」
「いいえ…その事は以前、悪魔学の本を読んでいた時にピンと来たんです。ただ、その本にはストラスは悪魔の中で最も博識で穏やかで…人の命を奪うような悪魔ではないと書かれていたので……マチさんを信じました」
ジェイドは涙を流しながら答える。ダリアも頷いた。
「正直驚きましたが、ご主人様とマチさんが何千年と共に生きてきた中で人を殺した、なんて話聞いたことがありません。私もマチさんを信じます」
マチは少々驚いたような顔をして「そうか、ありがとう。」と微笑んだ




