いただきます
第2話です
異世界の食べ物って表現が難しいところもありますね
「マチ、ただいま」
「ご主人、おかえり」
薪割りを終えたマチが外の椅子に座っていた
「今日はマリ様がダイヤウルフの群れを狩りましたよ」
「それはすごいな」
早速3人で会話をしながらお昼ご飯の準備をする
「まずはシックキャロットとグロウマッシュルームなどを一口大に切って火を通したら…あらかじめ毛をはいで血抜きをしたホーンラビットの肉を入れて、そこにレインボーフルーツとハーブ、塩コショウを加えて…完成、ホーンラビットシチュー!」
「それと月光樹の花の蜜パンだ」
「うわぁ…すごく美味しそうです…!」
ジェイドが目を輝かせている
「さ、みんなで食べようか!いただきます」
もぐっ
「うーん、おいしーい!」
トロトロに煮詰めた野菜とほろほろのホーンラビットシチューの肉。ハーブの香りも食欲をそそる
心の底からホッとするシチュー
「うむ…ご主人が作るシチューは世界一美味いな」
1口、1口噛み締めているマチ
「はぁ…頬が蕩け落ちそうです」
こちらも目を潤ませながらどこか遠くを見ているジェイド
「月光樹の花の蜜パンも美味しいよ!」
マリは月光樹の花の蜜パンを小さくちぎって口に入れた
ふかふかと柔らかく、中はしっとりしている。噛むと花の蜜の味がふわっと香り、優しい甘さのパン
「ふむ…ほのかな甘みで美味い」
「こちらも美味しいです」
2人は満足そうだ
あっという間におかわり分もたいらげてしまった
「ふぅ…ご馳走様でした。2人とも、いっぱい食べたね。私のおかわり分ないんだもの」
「すまない、美味しすぎてつい食べてしまった」
「申し訳ございません、あまりにも美味しかったので」
マチとジェイドは申し訳なさそうな顔をする
「いいよ、美味しいって食べてくれたら私うれしいもの。また作ってあげるね」
美味しいご飯は心を暖かくする魔法だ
…さて、午後から何をしようか
「午後は私とジェイドで魔法薬作ろうかな、在庫が無いのもあるし」
「俺は町に行って新しい本を探してこよう。魔導書があればうれしいが」
よし、予定決まり!午後ものんびり行きましょう
~
「よし、まずは羽生え薬から作ろうか」
マリは数ある棚から材料を取りだした
「ムーンウォーター、コガネハッカ、シルフの粉、ユニコーンの角の粉、マンドレイクの種っと…」
広い部屋にたくさんの棚と本。そして魔女が使うような大釜。暖炉の焚き火がパチパチとなり、風の音に鳥の鳴き声、ウィンドチャイムが鳴っている。
「結構需要がある薬ですからね、沢山作らないといけませんね」
ジェイドも瓶を両手に持ち、薬を作る準備をしている
さて、これから魔法薬の大量生産が始まる
マリ・レヴァンス
性別 女
年齢 5000年以上
得意魔術 無詠唱魔術(杖なし)
種族 ハイエルフ
幻樹の森の守護者
魔術の先駆者 魔術の開祖
この世界で唯一魔王を殺す魔法を使えるらしい
ハイエルフとは不老不死、脅威の再生能力を生まれつき持ち、目が赤いエルフのことを差す




