振る舞う料理
お昼になってマリが料理を作ろうとしたが、ダリアが「私に任せてください」と、そそくさと料理の準備を始めた
「ダリアに任せるよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
5年前はマリの身長と変わらなかったが、今ではマリの身長を超えてマリが見上げるようになった
「獣人族の成長はあっという間だなぁ」
「獣人族ですからね。人間とさほど寿命は変わりありません。私たち長命種は5年では何も変わりませんから羨ましくもありますね」
とジェイドは言う。人間や獣人族は短命種。エルフやドワーフは長命種だ。ハイエルフは…不老不死だ
「私5000年前から何か変わったかな…」
と頭を悩ませるマリ。そんな事で話していると台所からいい匂いが漂ってくる
「何作ってるんだろうね」
「ダリアはご主人と同じぐらいなんでも作るからな」
ダリアはマリの専属メイドだ。「出来た…!」とダリアの満足そうな声が聞こえた
「コカトリスのデミグラスオムライスです!」
卵の焼けた匂いとデミグラスの濃厚匂いが漂う。さらにオニオンスープ付きだ
「さぁ、食べてください」
「いただきます」
ふわとろ半熟卵と濃厚なデミグラス。それにケチャップチキンライス、どれもが絶妙なバランスを取っている
「うわ、美味しい!料理の腕あげたなぁ」
「うむ、美味いな」
「卵がトロトロだ…美味しいですね」
卵とデミグラスの量が多いので、もはや飲めるように食べられる
「ご主人様に喜んでいただけて良かったです!」
ダリアが嬉しそうに尻尾を振る
「私のことばっかり見てないでダリアも早く食べなよ。冷めちゃうよ」
「嬉しくてつい…いただきます」
どうやらダリアはオムライスが好物のようだ。食べるスピードが早すぎる
「オニオンスープも美味しいね」
「んぐ、よかったれす」
「こら、食べながら喋らないのー」
とても賑やかな昼ごはんだった。午後からマリとジェイドは魔法薬の研究をする。マチは読書、ダリアは部屋の掃除だ。魔法薬は透明薬に記憶薬、どれも難しいものだ
「…これに賢者の実をひとつ入れて、マンドレイクの種5つ。ハネモチ草を入れたら完成ですね!」
「無眠薬だ」
無眠薬はその名の通り、眠らなくても良くなる薬で研究職や徹夜で働く者などに良い。ひと瓶飲めば眠気が来なくなり、脳の働きが活性化される。
「うん、いい薬ができた。今度ギルドで売ろうかな」
「これは絶対に売れますよ!」
二人で魔法薬の話で盛り上がっている。
晩御飯は何を作ろう、暖かいものにしようかな…とダリアは掃除をしながら考えていたのだった




