人類はついに永遠の幸せを手に入れました!
『ついに、体感時間をいくらでも引き延ばせるVR装置が開発されました!』
『この装置を使えば仮想世界において、一秒を一日にすることはもちろん、一週間、一ヶ月、一年にまで引き延ばすことも可能なのです! これはもはやゲームという枠を超えたもう一つの人生! 人類は長年の夢だった永遠の命を手に入れたと言っても過言ではないでしょう!』
『そしてその永遠になった時間の中、我が社が提供するサービスをずっと楽しむことができます! 現実を丸ごとコピーした世界で観光名所に行ったり、好みの異性と結ばれたり、はたまた異世界に行ってモンスターと戦ったり、王となって国を統治したり……。何もかも思うがまま!』
『私たちは永遠の命と共に、永遠の幸せも手にしたのです!』
「た、大変です!」
「どうしたね?」
「犯罪者、前科者、それ以外にも薄汚い手段で世の中を渡って来た者たちが次々と自殺しています。我が社の装置を使って永遠に拷問されるんじゃないかと恐怖を感じたようで……」
「ほう、そうか」
「……驚かないのですね?」
「あの装置を作ったそもそもの目的はそれだったからな」
「……なんとまあ……確かに理論上はそういった永遠の責め苦を与えることも可能なわけですから、まったくの杞憂とは言えませんが」
「さて、世に仇なす連中の数も大幅に減ったことだし、これで多少は世の中も快適になるだろう。静かに余生を過ごすという私の夢も叶ったというわけだ」
「え? 我が社の装置で永遠の幸せを楽しむんじゃないんですか?」
「永遠の幸せなど、三日で飽きるさ」