第3話 祝福そして豹変
アイズ町に着いた。
門番が居てしっかり守ってる様だ。
「止まれ、身分を証明出来るものはあるか?」
門番に止められ、父は腰に掛けている剣を取り出す。
「これは皇帝から授けられた第16の剣、通称雨の剣だ」
その剣を一目見たらすぐに通された。そんなに凄い剣なのだろうか。
「お父様、皇帝から授けられたというのはどういう事ですか??」
「そのままだ、俺達が住んでいるのはポラリス帝国だろ?その俺らの皇帝様と昔ちょっと縁があって一悶着あったんだ。その時臣下にのみ与えられる第1〜16までの剣の中でたまたま16を持つ者が死んだから皇帝様が俺に報酬として与えてくださったんだよ」
誇らしげに父は言う。鼻の穴がめちゃくちゃ大きくなってドヤ顔をしてる。
「そうなのかぁ、お父様は思っていたより凄いのですね」
普通に父は凄いと思う。通常皇帝はそんな大事な剣をただの辺境の地を守ってるだけの騎士に与えようと思うまい。
「一悶着というのは何があったんですか?」
「そうだなぁ、お前が15の誕生日を迎え、成人したら教えてやろう」
「そうもったいぶらないで教えてくださいよ〜、そんなにやばい事なんですか?」
「まぁな、もう良いだろ、ほら教会が見えてきたぞ」
話を逸らすように教会へ走り出した。
教会は所謂キリスト系の教会に似ている。
異世界となると大体がこういう感じに似通ってしまうのはなぜだろう?とふとメタ的視点で考えてしまう。
異なる文化に人種であるなら別に突飛な見た目でもあり得ると思うのだが。
「本日はどのような要件でしょうか?」
若いシスターが話しかけてくる。いやぁエロい。
「息子の魔術の才を調べたくてな、うちの本では完璧に開いていた。間違いはないと思うが一応証明書の発行も兼ねてお願いしたい」
「そういう事でしたらすぐに、その年齢で開くとなると将来は宮廷魔術師団に入れるのではないでしょうか?輝かしい未来が待っていますね」
「そうだろー?自慢の息子だ、お前は将来立派になるんだぞ、な!ルーク!」
「は、はい、、!」
あまり買い被られすぎるのは好きじゃないんだ。
そこまで期待しないでくれよ、と思いながら少し自分に期待してしまっている。矛盾だ。
「それではすぐにでもこちらへ」
祭壇へと案内されるうちにあった奴より大きい禁書って雰囲気のする本の元へ案内された。
「こちらを開けようとしてみてください、少し力を込めて開かないようでしたら才能はないと言う事です」
少し本を開けるのは怖い。
めちゃくちゃ期待されているが故にただの勘違いで才能なんてありませーん、じゃ洒落にならない。
ちゃんと開いてくれよと思いながら本に手をかけた。
「ん!!」
少し力を込めると
「ひら、、、いた」
いつの間にか教会内の多くの人の注目を集めていたらしい。拍手が教会中を掻き回す。
「おめでとうございます!!ルーク様!今すぐにでも証明書を発行するので奥の部屋はどうぞ」
「良かったなぁ、ルーク!さぁ、行ってこい」
奥の部屋にはいかにも偉そうな老人が待っていた。
「年齢を言え」
「2歳と少しです」
「2歳にしては少し頭が回りすぎやしないか?俺の問いにも普通に答える。お前は何者だ?」
いつの間にか出口が閉まっていた。
そのまま何も言えず、拘束されてしまう。
「お前には何か大きな影が見える。お前自身がそうなのか、はたまたお前が何かをしでかすのか。そもそもそれは人族にとって良いことなのか悪いことなのか、俺には分からない。だがそれでもお前を生かすべきでないと俺の五感、いや六感が言い聞かせてくる。俺のことを誰なのか知ってるか?このコルドバ教会の教皇、アサスンだ。この俺がそう感じたならお前は世界にとって良くないと言うことだ。お前の父や家族についての処遇はいずれ決める。先ずはお前を殺してからだ」




