第2話 判明そして高揚
新しく命を頂いて1年になった。
色々わかった事がある。
両親の名前は父:ワイアット(23)母:サラ(22)である。そして俺の名前はルークである。そして裕福なのかメイドが1人いるメイド:リリー(30)だ。
転生作品ではありがちなヨーロッパって感じで、電気やガスが通ってない感じから少なくとも200年前以上ではあるだろう。この人口600人くらいの村の中では我が家が1番裕福だ、なんでも辺境騎士という位置付けらしい。村の名前はアリー村という。
風車があるし、オランダだろうか?場所に関しての地名は聞いた事がないので多分イギリス、ドイツ、フランス、スペインとかではないと思う。
少しずつ言葉が分かってきたが、まだ少ししか喋れない。ちなみに俺の髪はミルクティ色だ。
そうして一歳の誕生日を迎えたある日
「ドンッッ‼︎‼︎」
「誰か居ないのか!?」
何者かが必死にドアを叩く。
「だれだ!?」
父が急いで剣を持ちドアを開けるとそこには家から少し離れたところに住むおじさんが片手に剣を持ち傷まみれで立っていた。
「なんだクルトか、どうしたその傷?何があった!?」
「近くにいつもよりでかい魔物が出た、村のみんなで足止めしてるがどうにも追い返せん、早く来てくれ!!」
魔物、、、?なんだそれ。この世界は魔物なんて居るのか?そもそも、ここはユーラシア大陸ではないのか?混乱、そして考える間もなく、
「分かった、ルークをリリーに任せてサラも来てくれ!」
メイドにに預けられる。未だ混乱中。
「分かったわ!すぐ行きましょう!!」
それから数時間後泥だらけの父と母が帰ってくる。
「お疲れ様です、本日は特別にお風呂を沸かしておきました。上がってきたら夕食の準備は出来ておりますので、どうぞゆっくりお浸かり下さい」
そうして父と母と3人で風呂に入ってその後夕食を食べてベットに寝かしつけられた。未だ混乱中。
ここはいわゆる異世界なのだろうか、冒険、魔法、魔物、魔族などワクワクありありな異世界なのだろうか、そう考えると気持ちが昂る。転生だけですら「現代知識で無双するでぇ!!」と意気揚々としていたのだ、もしかして冒険者になれるのか?頼れる仲間に背中を預けての命を賭けた勝負とかあるのか?
途轍もないワクワク感に身を包みその日は寝た。
転生してから2年がたった。歩けるようになり、色々喋れるようにもなった。文字も読めるので母が熱心に見ていた本の正体が分かった。「魔術大百科」とてもワクワクする見出しだ。俺にも教えてほしいと頼んだが、まだ早いと言って魔術は教えてくれなかった。ケチだ。
母と父が揃っていない日がたまに数日ある。その間はメイドと2人なのだ。村の中に入ってくる前に村の近くの魔物を倒す村人によって編成された討伐隊の遠征らしい。
次の遠征中に俺は母の部屋に忍び込み、魔術の練習をしようと計画している。
そうして遠征の日になった。
メイドが洗濯物を干す為に外に出ている事を確認する。
「よしっ、今だ」
急いで階段を駆け上がり母親に部屋に到着。
「これが母がなかなか見せてくれない魔術大百科かぁ、思ったより大きいなぁ」
月並みな感想を述べ、本を開く。
その瞬間大きな光と共に目の前が明るくなり視界が遮られる。
「なんだぁ、、!!」
思わず本を投げて大声を上げてしまった。
しばらく待ち、視界が晴れると本の上に仙人みたいな爺さんが居た。
「お前さんが開いたのかい?」
「はい、、俺が開きました」
仙人は驚く。
「それはまた凄い。この本は少々珍しい者でな、魔術の才能がない限り開かない。つまり開いた時点でお主は魔術を使える才を持っている、という事じゃ。棒を振り回すだけの剣術とは違い、魔術は誰でも使える訳ではない。天に選ばれし者、天命を持つ者のみが使えるのじゃ。体感30人に1人しかその才はない。見たところお主はまだ小さいようじゃが大きい小さいに限らずきっと天命を全うする時がこよう、その時の為に魔術を今すぐにでも学び始めるのだ。お前の母はこの本を15歳に開け、その後ゲッシュ魔法大学へ進学した。5歳の誕生日を迎えたら入学が可能になる、お主も5歳になったらすぐ入学すると良い。」
発言だけを残して仙人はさっと消えた。
呆気に取られて何も言葉が出なかった。才能がある??俺が?ただのニートだったこの俺が?この世界では選ばれた人間なのか?
今思えばこのように調子に乗った事があの惨状を作り出したのかもしれない。
「たっだいまー!ルークちゃん寂しかったよね?」
母に抱きしめられる。
「ルーク良い子にしてたか?偉いな」
反対の方から父に抱きしめられる。
「うん!お父様お母様、お疲れ様です!」
なんて幸せなんだ。
その後遠征成功を祝して盛大な料理が運ばれてくる。
「お父さん凄かったのよ?出てくる敵をばったばったと薙ぎ倒して!」
「やめろって恥ずかしい。そういうお前も最初の準上級魔法でかなり雑魚敵を一掃出来たじゃないか。あれ結構助かったよ、雑魚敵に疲労したくないからな」
父と母は互いを褒めあっている。夫婦仲が良いのはいい事だ。さてと、仙人からのお話をせねばなるまい。
「お父様お母様、少しお話いいですか?」
話を遮る。
「お、どうした。なにか欲しいものでもあるのか?」
「私達今回大活躍でかなり報奨を貰えたの、少しくらい贅沢出来るわ、なーに?言ってごらん」
言って良い事なのか、ギリギリまで悩むが言うべきだと判断する。
「実はお父様とお母様が遠征に行っていた際、こっそり魔術大百科を開けてしまいました、。そしたら仙人みたいな老人が現れて、、」
母がびっくりした様子でさっと立ち上がる
「ルークちゃん!!!それ本当なの!!!??」
「はい、お母様本当です。そしてお前には才があるから今すぐ魔術の勉強に励め、と言われました」
言葉を失ったようによろける母。
少し驚いた様子で母を支える父。
「それが本当なら凄い事だ、サラ良かったな」
母は少し深呼吸をした後、話始める。
「ずっと心配してたの、ルークちゃんが魔術の才能があるかどうか。だからずっと答えを見たくなくて魔術大百科には遠ざけてた。良かった、、。これで私は一安心だわ、この年齢で魔術大百科が開いたならそれは凄い才能よ。大体は15歳の誕生日に開くかどうか近くの教会で試すのよ。それまでには才がある人は開くようになるから。開く年齢が早ければ早いほど才能はあると聞いているわ」
すっと腕を胸に撫で下ろす。
とても嬉しそうだ、愛されているな。
「流石俺の息子だな、リリー俺の故郷の酒を持ってこい」
父も上機嫌だ、お酒をぐっと飲み干した。
「というか、ゲッシュ魔法大学へ通えるようになるのは5歳からだよな?それまでは家庭教師でも付けようか、この才をずっと眠らせるのは惜しいからな。まぁとりあえず明日にでも少し離れた街にある教会に行って、本当に開くかどうか再度確認して魔術証明書を発行してもらおうか」
そして次の日になった。
母は昨日までの遠征の後始末をする為残り、父と2人で街まで行くことになった。
「それじゃあ行ってくる、サラ、リリー」
「ルークちゃん、怖い所に行くんじゃないのよ、安心してね」
母に抱きしめられる。
「はい!お母様!安全に行って帰ってきます!」
「もし帰り間に合いそうにないのなら近くの宿屋で泊まって帰る、二日間帰ってこなかったら何かあったと思ってくれ、それじゃあ行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃいませ」
馬に跨り、出発した。
初めて家から離れた。まだ小さいというのもあるが、家の外に出たとしても庭やすぐ近くだけだった。村の様子を見渡すと畑が広がっていて、たまに家がぽつぽつと見える。かなりのど田舎みたいだ。それにしても綺麗な村だ。あちこちに流れる清流、緑に輝く畑。
前世は東京の23区内に住んでいただけあってこんな景色はなかなか見れなかった。良い村だ。
「良い景色だろ〜、俺はこの景色が好きで下級貴族だったが家を出てここに住み、そして守ろうと決めたんだ」
「はい!お父様、俺もこの村が好きになりそうです」
そのまま馬を走らせ1時間でアイズ町に着いた。




