第1話 転生そして誕生
俺のプロフィールを簡単におさらいすると、
「某旧帝大を出たのち、有名企業に入社するが頑張らが適用できず鬱になり、それから2年間働かず生活保護を受けている」という状況だ。
途中まで順風満帆だったが故にみんながもったいないと言う。今からでも職を探せとも。
しかし違う。もう諦めたのだ。
俺は根本的に人との交流に向かない。
はっきり言って超絶インキャだ。
これはなぜかなのか分からない、これといったイベントがあった訳でもなく、物心ついた時にはもう人と話せない。頭が真っ白になるのだ。
今はもうネット上以外で人と会話するのを諦めている。
まぁ、そんな俺だが必死に役所で話して生活保護まで漕ぎ着けたのだ。そう易々と手放してたまるか。
そして、今日は生活保護の更新手続き。1番の憂鬱だ。
その行き道、右にふと目をやると
「アッア、、アアああぶないぞ!!」
喉が張り付く、なんとか声を絞り出す。
前から来るトラック、そんなものを気にせず自然と足が前に出る。
ビックリした顔のOLを精一杯突き飛ばせた事を腕の押した反作用で確認したその瞬間、世界が逆立ちをして空が見えた。
「ドンッッッ!!」
誰か何かを言っていた気がする。たしか大丈夫ですか!?って言ってたな、それ俺が1番わかる訳ないだろ。なんだか気持ちがぷかぷかする。どう言う事だ、、死んだのか。俺の人生には友達が1人しか居なかった。次の人生コミュ力だけはほしい。そう思いながら普段転生も神も仏も信じない俺が珍しく願う。
まぁそんな普段信仰してないのに神がこっち向いてくれる訳ないか。
段々と曇ってた視界が明るくなってくる。黒から白。
「アリヤァ、ペダラシリンチ」
「サラ、アザーサラ」
なんだ、誰が何を言っている?若い男と女の声。
「サラガラ、ワイアットガラアザーシュラ」
意味が分からない。外国語だろうか?
完全に視界が晴れる。前に見えるはミルクティ色の髪を持つ女と濃い紫色の髪を持つ男。そして奥には濃い青色のメイド服を着た女が見える。
完全に意味が分からない。俺は重症患者だろ?こいつらは医者か?どこに運ばれた?まさか症状が酷すぎて海外?だとしたら大金が必要になるだろう。どこからそんな金が出た?助けたOLが払ったのか?
混乱に混乱を重ね、結果全く意味が分からない。
あぁ、なんか眠い。そのまま眠りについた。