君と傘
僕は夜 君は昼
玄関にそっと置いてあった傘を見た
夜には傘が必要ない
誰にも会わない夜の風に身を委ねたら
たちまち大気に溶け込んだ
昼には傘が必要ね
目から落ちた宝石は誰かへのプレゼント
二人の空間を守るために
昼には傘が必要なんだよ
玄関にそっと置いてあった傘を見た
僕は君におくりたい
笑顔に溶け込むぼくたちは
すっかり傘もなくなって
自分が誰かもわからない
君は昼 僕は夜
手を伸ばしてみたけれど
何億光年の世界が
僕らに挟まれているんだろう
君は僕の目の前に
僕は君の遥か先に
君に照らされた僕は
今日もただ夜を見つめる
これからも ずっと