③政治家の”やり口”
4,政治家のやり方
質問者:出口戦略が見えないのは確かに国民としても厳しいモノがあります……。ですが、大きな会社が潤うことで日本全体は発展するのではないですか?
筆者:うーん、僕はそう思いませんね。東洋経済のデータによりますとトヨタ自動車すら雇用数は非正規8万人を入れても45万人です。車業界全部合わせても100万人ちょっとだと思います。確かに日本の経済を担っているのは間違いないですが、非正規雇用の方は給料も抑えられていますし、正社員の方も会社の内部留保額が還元されていないので本当に会社の中でも極一部の人しかこの政策の恩恵を直接的には受けていないはずです。
質問者:ですが、一応専門家の方々の協議の結果政策は決められていますよね? あまりマイナスになるようなことも無いような……。
筆者:ほぼ全ての専門家委員会の委員は結局のところ政府が決めます。専門家はポジショントークをする人がかなり多いですから政府の都合の悪いことは言わないです。“決まることありき”でその理由付けをしているに過ぎないんですね。
もしかしたら僕が知らないだけかもしれませんが政府の意見と専門家委員会の意見が食い違って専門家委員会の意見が採用されるっていうケースはなかなかないように感じます。この委員会の決定も政府に対する強制力はありませんからね。
質問者:そうなるとほとんど“出来レース“に近い形なんですね……。
筆者:本来は何かを得るためには何かを捨てる・失うというトレードオフの考え方をしていきたいところですがそうはなっていません。よく規制緩和は「既得権益を無くす」などと言って政策を推進しますが、実際のところは国民全体を守っていたものを破壊したりするんですね。
僕が子供時代には『郵政民営化』が推進されていました。あの頃は「総理大臣がこれだけ言っているのだからよっぽど良いのだろう」と思っていましたが、実際のところは全く違いましたね。後々色々知るようになり、総理のK泉さんと担当大臣のT中さんはアメリカと密接な関わりがあることが分かりました。「あぁ、なるほどな」と色々悟りましたね(笑)
質問者:郵便事業は本当にサービス低下していますよね……以前より遅くなりましたし、この間は手紙が届かなかったんですよ……。
筆者:そういう被害も多いようですね。僕の身近には書留が相手が住所にいるにもかかわらず送り返されたという事例もありました。確かに時代の流れにより不必要な規制は排除していく必要があると思いますが、国民の生活を守るための規制は残しておくべきだと思います。
質問者:確かに、良いことばかり言われていて、懸念点は“その可能性は無い”とか一蹴しているように感じます……。郵政民営化だと郵便事業の地方の支局の廃止などが懸念されていましたけど、やはりそうなりつつあるようですね……。
筆者:また、彼らはメリットばかりを述べます。政治家は口ばかりは上手いですから、上手い具合にメリットだけを前面に押し出して国民を納得させ、騙していきます。そして、政策が実行されて何年もしてから悪い部分が浮かび上がってくるんですね。気づいたときはもう政策は元には戻せません。
5,海外との繋がり
質問者:ところで、先ほどK泉元総理とT中元大臣についてのお話がありましたが、政治家はよく海外との繋がりがあるという話も聞きますがそれについてはどうなんですか?
筆者:政治資金規正法22条5では外国籍の人物・団体・企業からの献金は規制されていますね。
質問者:あ、そうなんですね。
筆者:ですが、別の形での“便宜”という方法ならいくらでもあるんです。例えば、議員の関与する法人に対する“出資”。特に海外にある法人とかだとどういう“便宜”が図られているのか日本からは分かりにくいです。多選されている方や親も政治家だった世襲議員の方などは色々な方面でのルートがありそうですね。
最近話題になった方だと総裁選の時に河〇太郎さんの弟さんが中国企業と深い関わりがあることで話題になっていましたね。
ああいう感じのことがもっと追及されれば本来は理想的です。ですが、実は政治家の皆さん同じように“脛に傷”がある状態ですから自分の方にもボロが出ちゃうんで追及も行われないんですね。
質問者:悪い意味で“お互い様”という状態なんですね……。
筆者:また、先ほどの政治資金規正法の「外国企業」の定義が“50%以上が外国資本“という定義なんですが、笑えることに「外国企業」ということを”知らなかった“ということで逃れられちゃうみたいなんです。実際にそう言ったことで国会答弁を凌いでいる議員さんは与野党に多数います。
質問者:えぇ……。
筆者:ですから、悲しいことに国会答弁とかでこういうことが追及されても恐らくは“知らなかった”で終わりでしょうね。
よくアメリカや中国に“○○詣”とか言って議員の皆さんがこぞっていかれることがあります。ああ言うのは派閥の勉強会や○○委員会などでまとめて行かれているんですね。
まぁ、この2つの国について日本が“逆らえない状況”になっている理由につきましてはまた別のところで紹介したいと思います。
6なぜ、そんな政治家は当選するのか?
質問者:しかしどうしてそんな人たちが当選するんでしょうか?
筆者:当たり前のことを言うようですけど地元の人が投票するからです。また、彼らは地元の人にはとても“優しい“んですね。
まぁ、人にもよると思いますけど道路や橋を作ってくれたり農協や漁協に対して便宜を図ってくれたりすると結構味気なく懐柔出来ちゃいます。田舎の人は特にそんな感じがあります。
よく、『地元の奴らは何であんな政治家に投票するんだ!』とかヤフーコメントでありますけど、地元の人たちはその議員が当選することによって利益を得ているわけですから、僕から見たら“当然の流れ”だと思うんです。ここも最初の1で述べたような利益者集団によって国が動かされているということにも関係してきますね。
これは国政選挙でありながら地元にピンポイントな政策をしてくれる人に投票する。ここに少し歪みがあるんだと思いますね。
質問者:それなら、参議院のような全国比例のような形が理想なんですか?
筆者:結局のところあまり変わらないと思いますよ。当選枠の人数が多くなれば多くなるほど、必要票数が減ってくる。そうなると地域の組織がまとめて投票してくれた人が強い訳ですからね。そもそも、全国の政治家全員知っているわけ無いんで少し幅が広くなるだけに過ぎないです。僕は比較的政治には興味があるほうですが、それでも自分の地域以外の代議士は余程有名でないと分かりません。
質問者:そうなると議員そのものを減らすしかないんですかね……。
筆者:日本の衆参両院を合わせると約700人といった感じです。ここで他の国と比較してみましょう。
日本の人口3倍以上のアメリカが上院50人下院435人です。しかし、各州政府の自治能力がありますから構造上に全くもって違いがあります。“国会議員にあたる人数“だけを数えるのは妥当では無いと思います。
人口半分のイギリスが人気不定の貴族院が785人、日本の衆議院にあたる庶民院が650人。ドイツは1院制のようですが736人と実は日本の議員数は人口比で見た場合は不当に多いわけでは無いように思えます。
質問者:へぇ、そうだったんですね。
筆者:まぁ、前から言ってますけど既得権益は自分から放棄しないんで議員数の減少や給与の削減などはあまり期待できないと思いますね。
政治家は政治資金規正法ぐらいでしか追及されないのはどうなのかなと思います。政治的失敗では憲法51条で『国会議員の発言・表決の無責任の免責特権について規定している』ので追及されませんからね。
7 自民党政治は“野党“に支えられている
質問者:しかし、こうなると自民党というのはかなり組織の構造として腐敗していますよね……。ほとんど政権を明け渡したことが無いというのが不思議でなりませんね……。
筆者:僕が思うに自民党が政権にずっとい続けている原因の一つとして“野党が頼りないから”というのがあると思います。
55年体制から二大政党制とは名ばかりで実際のところは社会党は政権担当能力は無く1と2分の1の体制だったと揶揄されていますからね。それでいて、自民党が3分の2以上を両院でとったことが無いことから事実上の“憲法改正を阻止されている”という大義名分がある感じが見受けられます。
質問者:どうして野党に政権担当能力が無いのでしょうか?
筆者:一つに支持勢力の基盤が弱いことがあります。野党を支援するのは労組のような組織ばかりですからね。後は政策に現実味がありません。基本的に自民党の批判ばかりで対案が無いですから。
正直なところ、自民党が良いのではなく“野党の方が嫌だから自民党に入れている”。それが現実だと思いますよ。維新の会のような地域政党みたいなピンポイント政党だけがその地域のみで勝機があるというだけです。
僕の知る限りでは保守系の小さい政党は直ぐに自民党に吸収されます。また、自民党の公認を得られなかったからその他の政党で出馬している。そういう感じで人材としても1ランク落ちるんですね。
“自民党は嫌だけどこっちの人のほうがマシ”多分これぐらいの理由で投票している人が多いというだけに過ぎないと思いますね。
質問者:なるほど、確かにそれは一つ言えているかもしれませんね。
筆者:野党も“政権担当したらこういう社会になります“という青写真を見せて、現実的だなと国民に思わせることが重要だと思います。与党を焦らせるぐらい野党が力を見せることが出来れば日本は大きく利権社会から変われると思います。
※一時『ディストピア生活初級入門』の内容を第4部分に誤って投稿していました。混乱させてしまい申し訳ありませんでした




