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握った手だけは離さない


しかしながら話の内容から察するにわたくしが日本でも暮らせるようにする手筈をしてくれているみたいである為大人しく頭を撫でさせてやる事にする。


あと、旦那様の言う『いーおーん』という所が一体全体どのような場所であるのか今の時点で楽しみで仕方ないと共に、早く見たいがために『まいくろばす』の進行方向を落ち着きなく眺めてしまう。


「まぁ、手を握ってれば流石に迷子にはならないだろうから握った手だけは離さない様にな」

「わ、分かりましたわ」

「えっ!?旦那様っ!?今からイーオーンへ行くのですかっ!?」


そして迷子だとか先ほどまで物凄く気になっていた筈の『いーおーん』だとかいうよりもこれから『旦那様と手を繋がなければならない』という事の方が何故だか知らないのだがわたくしの中で重大事項として取り上げられたその時、後ろの席に座っていたルルゥが身体を乗り出して旦那様へこれから向かう目的地が『いーおーん』であるか確認してくる。


「ああ、これからイーオーンへ向かう。そして危ないから大人しく座っておけ。子供が真似したらどうするんだ」

「イーオーンへ行けるなんていつ振りでしょうかっ!ここ数年は秋葉原のアニメイドとかタツヤ書店しか行ってなかったですからねっ!!久しぶりに行くとなると何だかワクワクしてきますっ!!」

「まったく、ルルゥの旦那の苦労が何となく分かってくるな」

「失礼なっ!!旦那は庭師馬鹿なので土さえ弄ってればご機嫌なんですからねっ!あと一応旦那の為に王国でも育つと思われるこちらの植物を偶に目に入った時だけですが買ってきてあげてる私程よくできた妻はいませんよっ!」

「お母さん恥ずかしいから止めてっ!」

「これしきの事が恥ずかしく思えるのならばコスプレなど出来ないわよっ!」


そして旦那様の言葉で更にヒートアップするルルゥの姿をみて十歳程のルルゥによく似た女の子が顔を真っ赤にしながらお母さんとルルゥの事を呼ぶと止める様に言っている姿が目に入ってくる。


子供本人からすればたまったものでは無いのであろうが、その光景を見てわたくしは羨ましいと思ってしまう。


「あ、奥方様………は、初めまして。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私は認めたくないのですがここにいるルルゥの娘であるララです。今は日本の小学校に通ってますが学校が終わると王国に戻ってます。宜しくお願い致します」


そしてわたくしが見つめている事に気付いたのかルルゥの娘だというララが丁寧に挨拶をしてくるではないか。

誤字脱字報告ありがとうございますっ!

ブックマークありがとうございますっ!

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