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イーオーンへ向かっている所だ

「か、かたじけない」


そして俺はなんとか生きてタリム領へと入る事ができたのであった。




昼食を食べ終え、再びわたくし達は『まいくろばす』へと乗り込む。


そして点呼を終え全員乗っている事を確認し終えると『まいくろばす』は来た時と同様に唸り声を上げて整備された道を物凄いスピードで走りだしていく。


初めて乗った時は恐怖心もあったのだが、少しだけ慣れて来た今ではこの『まいくろばす』という乗り物が如何に凄い乗り物であるかという事が窺えて来る。


この巨体で、大人数を載せて走っているにも関わらず出ているスピードは馬車の比ではなく何倍もの速さで走って行く。


しかし早く走れば走る程馬車であれば大きくなっていく揺れは、確かに揺れている事は揺れているのだがこの走っている速さから考えれば信じられない程の揺れの少なさであろう。


その速さだからこそ見る事の出来る、初めて見る流れる様に景色が移り変わって行く様はそれをただただ眺めているだけで面白いと思え、ずっと見てられるから不思議である。


そして景色を数十分ほど見ていたのだが一向に山へ入ろうとしない『まいくろばす』に少しだけ不安になってくるので、大丈夫とは思いつつも旦那様へ今どこへ向かっているのか聞いてみる。


「だ、旦那様。今わたくし達はシノミヤ家の屋敷に帰っているのではないのですか?」

「ああ、一応まだまだ時間はあるしお昼食べてすぐ戻っても歓迎会の準備はできていないだろうしな。なんせ今回の旅行は急だったからな。という訳で時間を潰せてかつ王国の人ならばテンションが上がる事間違いなしと言えるイーオーンへ向かっている所だ」

「『いーおーん』、ですか?」

「ま、着いてからのお楽しみだな。あと迷子にだけはなるんじゃないぞ?一応シャーリーは身元未判明外国残留日本人孤児申請の上四宮家の分家である高円家が身元を引き受け養子として引き入れた後、四宮家へと嫁ぐという流れで上の方で話は通ってはいるが面倒が起きない事には越したことはないからな。これで下手に警察の世話とかにならない様にしないとな」

「えっと、旦那様が仰っていることの半分も理解できないのですけれどもなんだか子供扱いされている気がするのですけれども?」

「気のせいだ」

「あうあう」


話の内容の殆ど理解できなかったのだが、旦那様に問うてみると、その反応から見てもやはり旦那様はわたくしの事を子ども扱いしていると確信すると共に旦那様はそれを誤魔化すかのようにわたくしの頭を撫でて有耶無耶にしようとしてくる。


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