相手に迷惑が掛からない様に何故動けない
俺は何という聞き間違いをしていたんだ。
あんな汚い声がアイリスの訳がないではないか。
「おい衛兵っ!!未来の王妃に対してそんなぞんざいな扱いをしてタダで済むと思っているのかっ!?」
しかし許せないのがこの衛兵がアイリスをまるで物を投げるかの如く門の外へ放り投げた事である。
その怒りを衛兵へと怒鳴りぶつけるのだが、衛兵はまるで頭の悪い子供を見るかの様な表情で俺を見つめてくるではない。
「未来の王妃?失礼ですがシュバルツ様は王妃になれる条件をご存じで無いのですかね?平民のこの娘では第二夫人すら成れず良くて愛妾くらいですよ。それでは」
そして衛兵はそんな事を言うと門の内側へと戻り門を閉めるではないか。
何でこの俺がこんな扱いを受けなければならないんだ。
あれもこれも全てうまく行かないのはいつだってシャーリーのせいであった。
アイツが毎回毎回口うるさく言わなければ上手く行っていたものを、アイツがことごとく横から口うるさく上から目線で止める様にと水を差す様な事を言ってくるせいで毎回毎回上手くいかない。
今回の件だってそうだ。
元婚約者であるのならばその相手に迷惑が掛からない様に何故動けない。
馬鹿なのか。
どれだけ人に迷惑をかければ気が済むのかと一回躾なければならない様である。
「開けなさい」
「ただの平民の貴女では無理です。それ相応の付き添いがなければこの門を開ける事を通す事もできません」
「そんな事知らないって言っているでしょうっ!さっきから開けなさいと言っているのにあなたの顔についている耳はただの飾りなのかしらっ!?」
「…………アイリス?」
「あ………あらやだ。シュバルツ殿下。この衛兵怖いのぉー」
「お、おう。そうかそうか。それは可哀そうに」
そしてどうやってシャーリーを躾けようかと想像していた時、門の方から先ほど聞こえた金切り声と全く同じ声が聞こえて来たので見てみると、アイリスが金切り声を上げながら衛兵にたて突いている姿が見えたような気がしたのだが、今俺に『怖い』と抱き付いているアイリスはいつものアイリスであるので恐らく先ほどの光景は気のせいか俺の見間違いであろう。
「シュバルツ殿下ぁ。私も一緒にシャーリーへ会いに行っても良い?」
「あぁっ!ああっ!!良いとも良いともっ!!流石俺の将来の妻だなっ!!これがシャーリーであったのならばこうも行くまいっ!きっと実家か王宮で籠って怠惰な日々を過ごそうとしていたに違いないからなっ!!」
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