使用人は主人の写鏡
「ほう、シャーリーはそう言えばカップ麺もレトルト食品も初めてだったな」
「だっ………」
「だっ………」
「「旦那様っ!?」」
そして全くもって想像出来ないかっぷめんなる料理にれとるとなる料理についてルルゥに聞いていたその時、わたくし達の会話に聞き覚えのある、と言いますか先程まで大広間で聞いていた声が聞こえが聞こえ、振り向くと案の定旦那様がそこにた。
「俺を見て幽霊か何かみたいな反応をしてからに。で、シャーリーはどんな料理が良いんだ?」
わたくしの近くで、耳の奥に残る心地良い声音で優しく喋られると思わず聴き惚れてしまいそうになってしまいますわ。
そもそもお顔もこの国ではまずお目にかかれない中性的と言いますか、彫りの浅い顔立ちがまた魅力的で、その顔立ちを更にこの国では同じくまず見ない黒目に黒髪がえも言われぬ魅力を放っているのだ。
恐らくこれら全てが、物珍しいが故に出来た旦那様の噂の数々なのであろう。
「シャーリー?」
「ひゃ、ひゃいっ!?な、何ですのいきなりっ!?ビックリしてしまいましたわ」
「いや、先程から何度も声をかけていたのだが?まぁいい。もう一度聞くがシャーリーはどんな料理が食べたいんだ?どの食品がどの様な味かまだ分からないだろう?それに近い料理を俺が見繕ってやるよ」
気が付くと旦那様のお顔がわたくしの目の前にあり、思わずひっくり返った声が出てしまう。
穴があったら入りたい気分である。
そんなわたくしの事などお構い無しに旦那様は今わたくしが食べたい料理を聞いてくる。
「んんっ、そ、そうですわね。食べたい料理と言われましてもわたくしはまだ旦那様の故郷で食べられている料理が、どの様な料理があるかまだ詳しくわかりませんので………そうですわね、強いて言うのならばこの国では食べれない味でかつ初めて見る様な料理が良いですわね」
「まぁ、それもそうか。んで、この国では食べれない味でかつ見ない姿の料理ねぇ………」
そしてわたくしは旦那様へと食べたい料理を伝えてみると、旦那様は真剣に考えてくれている様である。
今までこれほど真剣になってわたくしの事を考えてくれている人はいただろうか?
使用人は主人の写鏡であるという言葉がこの国の貴族間で言われている。
こういう旦那様だからこそ、ここの使用人達は皆暖かいのであろう。
「旦那様、そんなに深く考えて奇を狙うよりも無難にカップ麺でも良いのでは?とルルゥは思うのですが?」
「カップ麺か、だがこの国には小麦粉の様な物で作った、俺の世界で言うパスタの様な料理があるしな……」
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