ゲームで釣って黙らす
そう、このルルゥなのだがアニメという沼にどっぷりとハマったせいで今現在休みの日になると聖地巡礼からアニメグッズショップ巡りをする様になるほどどハマりしてしまっているのである。
秋葉原など行こうものならばアニメグッズショップ巡りで一日が終わってしまうのが目に見えている。
そうなってしまっては傷心旅行もクソもないので秋葉原は禁止と告げたのだが、それを聞いたルルゥはこの世の終わりの様な表情をしていた。
「そ、そんなっ!?それでは一体何を楽しみにすれば良いんですかっ!?」
「いや、毎回休みの度に行ってるだろ?流石に飽きてくる───」
「飽きませんっ!!」
「いやいや、流石にそんなに頻繁に行けば───」
「飽きませんっ!!それに自慢ではないのですが最近はコスプレにも目覚めて来てますから寧ろ楽しみが増えてますっ!今年はコミケに参加しようと衣装も手作りしている所ですっ!自慢ではないのですがねっ!」
「いや、自慢では無いという言葉は他人からすれば凄いとか羨ましいと思う事柄につける事だと思うのだが?おかしいかな、まったくもって凄いとも羨ましいとも思わないのだが?」
ルルゥと出会った当初はあんなにも純粋で、東京の街並みを見て、目をキラッキラさせながら眺めていたというに、あの頃のルルゥはどこへ行ったのか。
好きはものの上手なれとはいうけれども、まさかあのルルゥがここまでアニメにハマり、今では猛勉強の末漫画どころかライトノベルを読める様になるとは一体誰が想像できようか。
「旦那様っ!私は残念でなりませんっ!日本人なのに何でアニメの良さが分からないのですかっ!」
「モンスター狩人、一緒にやるか?」
「やりますっ!やるに決まってるじゃないですかっ!何なら夜ご飯を抜いて寝ずに朝まで付き合いますよっ!」
「それはちょっと遠慮するわ。流石に晩ご飯を食べたいし普通に寝たい」
とりあえず、日本での傷心旅行の案については、ルルゥは賛成であると受け取って良いだろう。
そう思いながら俺はヒートアップして来たルルゥをゲームで釣って黙らすのであった。
◆
翌日、朝食前に大事な話があると使用人も含めて大広間に来るようルルゥから説明される。
因みに昨日の晩ご飯はここグラデリア王国では割とポピュラーな料理、ウサギのポトフとパンにフルーツのデザートであった。
不味いか美味しいかで言うと美味しかったのだが、まだ味わった事のない美味しい料理が食べれると思っていたわたくしは少しがっかりした。
と言うのも一日一食は必ずグラデリア王国の料理を食べるのだそうだ。
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