表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢、日本へ嫁ぐ  作者: Crosis


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/197

秋葉原は禁止

そしてお土産を渡すと歳相応の反応を見せ、喜んでいる事が伝わって来る為思わず子供扱いしてしまう。


しかし元気良く、子供扱いしないで欲しいと言い返して来るあたり出会った当初から考えれば表面上は大分マシになったと言えよう。


「では俺は夕食まで書斎で今日の仕事を纏めて来る。ルルゥは俺と一緒に来てくれ」

「かしこまりました、旦那様」

「あうあうっ、も、もうっ!やめて下さいましっ!」


そして俺はまるで留守番を言い渡された犬の様な表情をするシャーリーの頭を今一度クシャクシャと乱暴に撫でるとルルゥと一緒に書斎へと向かう。


「それで、今日一日見た感じどうだった?」


そして書斎に入ると皮張りの椅子に深く座り机の上に置かれている書類に一枚一枚目を通してサインをしながらルルゥにシャーリーの事を聞く。


「そうですね………表面上は大分良くなって来たと思うのですけれども、急に泣いたり、かと思えば笑顔になっていたりと感情の起伏が激しく感じます。恐らく親や婚約者に捨てられて今までの努力も無駄だったという現状を忘れようと振る舞い、ふとした瞬間に些細な事がきっかけで一気に思い出してしまうのでしょう」


書斎に置かれたポットでお湯を沸かし初めていつもの様にコーヒーを入れる準備をしながらルルゥはシャーリーについて話す。


その事から、強烈なストレスから守ろうと脳がストレスの原因を思い出さない様にしているのだが些細な事でフラッシュバックしてしまっているのだろう。


いくらこの世界では成人していると言えど俺からすれば十八歳などまだまだ子供である。


日本ならば殆どの者がまだ高校に通って青春を良くも悪くも謳歌している年頃なのだ。


そんな年頃の娘がいきなり自分の周りにある全ての物が無くなってしまった衝撃は想像を絶する程のストレスを感じてしまうのも無理ないだろう。


俺であっても十八歳の時にいきなりシャーリーと同じ状況に陥ってしまったらと思うと、シャーリーと同様に普通では居られなかったであろう。


「そうか………傷心旅行という言葉もあるくらいだ。ならばいっそ嫌な事を忘れる程の体験をさせるという意味や旅行と捉えてリフレッシュも兼ねると考えれば日本へと連れて行くのも有りかもしれないな」

「そうですね、私もそれが良いかと思います」

「何なら使用人達全員で行くか。多い方が賑やかで良いだろう」

「あ、なら私は───」

「秋葉原は禁止な」

「───秋葉原………っ!?何故ですかっ!?秋葉原が何をしたと言うのですかっ!?」

「いや、お前何時間も居座って戻ってこなくなるだろ」


誤字脱字報告ありがとうございますっ!

ブックマークありがとうございますっ!

評価ありがとうございますっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ