世界で一番美味しい
そしてわたくしはホイップクリームを『ミ』の形の様にホットケーキの上えかけると、その上にひし形の格子状になる様にチョコレートをかけていき、最後に苺という赤いフルーツのジャムを端に添えて完成である。
「で、出来ましたわっ!!」
「あら、初めてにしては上出来ですねっ」
「ありがとうございま………」
そしてわたくしは見てしまう。
皆さんトッピングのデコレーションが王宮のパーティーで出せる程綺麗に盛れている事に。
それを見てしまうとわたくしの不格好なホットケーキに不格好なトッピングの盛り付けがなんだか恥ずかしくなって来てしまう。
まだ子供達の方が上手に盛れているのだから尚更である。
「奥方様、何も恥ずかしがる事など御座いませんよ。コレは旦那様のお言葉ですが『人間誰しも初めてやる事で失敗したり効率良く出来ないという事は良くある。失敗したと落ち込むのではなく、何で失敗したのか自分なりの答えが分かれば次に生かせる事が出来るチャンスだ。と思えば良いし、俺自身そう思う』と、ここに来たばかりで失敗ばかりの私にかけて下さったお言葉で御座います」
そう言うとルルゥはわたくしの手を優しく包む様に両手で握って来る。
「奥方様はここ四ノ宮家に嫁いで来たのですから既に四ノ宮家の人間です。ここで暮らす時間はいっぱいあるのですから、焦らずゆっくり色んな事を色んな失敗をしながら覚えて行きましょう」
「ルルゥさん……うむぅっ!?」
思わずルルゥさんの言葉に感動しそうになったその時、わたくしの口の中へわたくしが作ったホットケーキをフォークで切り取るとそのまま半ば強引に入れられる。
「それに、形や見た目こそ不格好ですけれども大事な味はこんなにも美味しいじゃないですか。人間も同じで姿形では無くて中身だと私は思いますよ」
そして初めて食べたホットケーキという焼き菓子の味は、世界で一番美味しいと思える程の美味しさであった。
◆
感動のホットケーキを食べ終えた後は縁側に座りはしゃぐ子供達を眺めながらゆっくりとした時間を過ごしていた。
今までは何かしらのレッスンを一日に複数入れられており、こんなにもゆっくり出来る時間も無ければ自由の時間は就寝時間の時のほんの僅かな時間だけであった。
「何だか、こんなにのんびりと過ごしていると、その内怒られやしないかと不安になってしまいますわ」
「何もせず、のんびりと過ごすのはお嫌ですか?」
「いえ、幸せ過ぎて夢なのではと、そしていつもの叱責する声で目覚めてしまわないかと不安なだけですわ」
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