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婚約破棄された悪役令嬢、日本へ嫁ぐ  作者: Crosis


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厳選してきた

 そういうとシャーリーは『ぱっ』と顔を綻ばせながら側仕えが持っている手提げ袋を受け取り、中身をテーブルの上へと一つ一つ出していくではないか。


「今日はお茶会と聞きましたので持ってきておりましたの。 この食べ物はわたくしが美味しいと思えた物を厳選してきたなのですけれども、どれもとても美味しいのできっと皆様も気に入って下さると思いますわ」


 そして並べられていく、見たことも無い色とりどりで様々な袋や箱に入った何か。


 公爵家の産まれであるこのわたくしが生まれてこのかた、このような物を見た事も無いという事が、今目の前に出されている物がどれほど珍しい物であるかという事が窺えて来る。


 これらの入れ物の数々が一目見ただけでとんでもなく高い技術で作られていると分かる程には、かなり高級なものであるのだろう。


 そもそも、これらに描かれている絵ひとつとっても実物と見間違うほどリアルに描かれており、いったいこの様々な袋や箱が一つどれ程の値段で売られているのかすら想像できない。


 そんな物を男爵家に嫁いだシャーリーが何故これ程の量買えたのかという疑問は残るのだが、そんな事よりも今は目の前の『何か』が気になって仕方がない。


「えっと、こちらが細長いクッキーのような物にチョコレートでコーティングしたポキーというお菓子で、こちらは食べた瞬間もう元のクッキーには戻れない未知なる美味しさのカントリーマダム。そしてこちらはミルクーというミルク味のキャンディーにこれは数種類のチョコレートが入ったもの、そしてこちらはほかほか焼きというライスでできた煎餅という食べ物に、こちらは同じく煎餅で出来たお菓子ラッキーターン、そして最後は馬鈴薯を揚げたチップスを塩、コンソメ、そしてそしてこちらはピザ味ですわっ!!」


 そしてシャーリーは興奮状態で目を輝かせながら目の前の物を一つ一つ紹介していくのだが、どれも初めて聞く内容であまりピンと来ないのだが、最後の物だけ馬鈴薯を揚げた物という事は理解できた。


 しかしながら、ただ馬鈴薯を揚げただけの物をさも高級そうに装て出すシャーリーが、わたくしには惨めに見えて仕方がない。


 馬鈴薯は庶民、それも貧しい方たちが主食として食べられている芋の事である。


 公爵家から男爵家にランクが下がるという事は、そういう事なのだろう。


 その事からも、今回はシャーリー自身かなり頑張って背伸びをしているみたいなのだがまた、痛ましく思えて来る。


 そう思うのはわたくしだけではなかったみたいであり、今ここにいる令嬢達が皆、可哀そうな人を見る目をしている事が見て分かる。


「シャーリーさん、もう大丈夫ですので、この辺にしておきましょう」

「そ、そうですか?まだまだ持ってきていたのですけれども……そうですわね。皆様に紹介したいものがあり過ぎて、持って来過ぎた見たいですわね」

※補足

主人公の暮らす国には馬鈴薯ジャガイモはあり、庶民、それも貧しい物の主食とされています。

あくまでも中世ヨーロッパ『風』であり、魔法もある地球とは少し異なる異世界という認識で読んで頂ければ幸いでございます。

何卒宜しくお願い致します。

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