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婚約破棄された悪役令嬢、日本へ嫁ぐ  作者: Crosis


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そんな所はやはり年相応の女の子

「わ、分かりましてよそれくらいっ!」


 そして、プライドの高いペトラはやはりわたくしが知っている事を知らないとは言えずに一本簪の使い方は分かると豪語する。


 そもそも、この簪は日本から買ってきたものであり、この世界にはある筈ないのだが、自らのプライドを保つせいで損をしているのだからおかしなものである。


 プライドなどというものはあってもご飯が食べれるものでも無ければ自分を守ってくれるものでもない。


 勿論、プライドにも折れてはならぬ時があるという事は知ってはいるものの、この『貴族の持つプライド』というもの程使え無いプライドは無いとわたくしは思っている。


 所詮は貴族同士の見栄の張り合いと、庶民への威圧など、とどのつまり他人から下に見られたくないというなんともつまらない意地の張り合いが、貴族のプライドの正体なのである。


 家格や庶民など関係なく時には相手を尊重する事が、わたくしは大事であると思っている。


 貴族のプライドなど犬の餌にでもすれば良いのだ。


 だから、ペトラはこの一本簪の使い方を知らないにも関わらず、家格が下のわたくしを頼る事が出来ないのである。


 わたくしを見下すその一瞬だけは気分が良いのであろうが、プレゼントされた一本簪を使えないというのは一生である。


 そんな事を思いながら、わたくしは中庭へと案内され、既に到着していた面々にも挨拶をしてからペトラに渡したのと同じ一本簪をプレゼントしていく。


 皆わたくしの着ている着物、そして髪に刺している一本簪に興味津々であったらしく、一本簪をプレゼントとして渡すや否や年相応の女の子の表情をし出すも、ペトラ同様に次の瞬間には少しだけ暗い表情になる。


「あ、あのシャーリー?この髪飾りはどのようにつければよろしいのでしょうか? もし良ければ教えてくださるかしら?」


 全く、わたくしはなんだかんだでお人好しなのだろう。


 本日集まった者達は皆家格がわたくしよりも上で、そして顔見知りばかりであり、わたくしと仲の良い令嬢はいない仲、その家格が下であるわたくしに自らこの一本簪の使い方が分からないから教えて欲しいと言われれば、教えないという選択肢はない。


 そして、メイドにやらせれば良いものを、わざわざ一本簪の使い方を聞いて来るという事は自分でも使って見たいからだろう。


 そんな所はやはり年相応の女の子である。


 そしてわたくしが教える事によって、その流れでペトラも一本簪の使い方を覚えるだろう。


 というかわたくしの説明を聞き逃さまい、見逃さまいとその表情は真剣そのものである。

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