旦那様は相変わらず
「とりあえず王国のように魔法攻撃等が使える魔獣や獣類はいないから安心して大丈夫だ」
そしてわたくしの隣に座っている旦那様がそう言うと、わたくしの頭を撫でてくれる。
たったこれだけの事で杏奈に大丈夫と言われる何倍も安心してしまうのだから不思議である。
「あっ!奥方様、私が大丈夫と言った時とは違って今明らかに安心しましたよねっ!?」
「そ、そんな事ございませんわよ?」
そしてその事を杏奈に指摘されて、旦那様にその事が知られてしまうのが恥ずかしいと思ってしまい思わず否定してしまう。
『どうせ頭の先からつま先まで唐変木で出来ているような人間だから女性からアプローチしない限り一生気付かない可能性もあるわよ?それこそこちらから押し倒すくらいじゃないと』
というルルゥの教え(他の使用人達に聞いても言葉は違えど大体同じ事を言っていたので間違いないだろう)を頂いていたにも関わらず、肝心の所で日和ってしまい思わず後悔してしまうのだが、今まで男性からアプローチするのが当たり前の世界で生きて来た事もあって自分から行動に移すという事の難しさと想像していた以上勇気が必要であるという事を思い知る。
わたくしのイメージでは簡単にアピールできていたにも関わらず、いざ本人を目の前にするとこれ程までに違うのかと。
それでも、何もしないという負け戦はしたく無いと気持ち旦那様へ身体の体重を預ける。
本来であれば女性から男性の身体へ密着させるのは、はしたないとやらないのだが、それ以上に旦那様と密着している部分から幸せと幸福の感情が津波のように流れ込んでくるため、今ではもう少し体重を預けてしまおうかという欲、更には抱き着きたいという欲を抑え、自分自身を律しなければならない程である。
しかし、それもこれも全て旦那様が唐変木であるのが悪いので、わたくしの行為ははしたなくないし、そうもっと体重を預けたい、抱き着きたいと思ってしまうのも唐変木の旦那様が悪いのだ。
そして私は、カーブに差し掛かったタイミングで一気に体重を預け、以降がっつりと旦那様へ体重を預ける事に成功する。
にも関わらず、旦那様は相変わらずで、あぁ、これは想像以上に唐変木であり、私が思っている以上に内に秘めた欲望を旦那様に自分の気持ちを悟られずに満たす事は案外簡単なのではないかと思うものの、それはそれでここまでしても自分の気持ちに旦那様が気付けないのは、やはりわたくしの事を異性ではなく妹か娘の様にしか思っていないのではないかという不安もまた、訪れるのであった。
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