ぞっこんベタ惚れ
そう真顔で言う俺の幼馴染である貴裕を、今日ほど殴り飛ばしたいと思った日は、他には無いだろう。
もし暴力行為が罪でなければ間違いなく俺の鋼の拳が二、三発貴裕の顔面へとめり込んでいた事だろう。
「なんでそうなるんだ?」
「十代で尚且つ外国の娘を娶るとは流石に羨ましい、ではなくて犯罪の匂いしかしないので逮捕一択だろう。あわよくばその娘を助け出した白馬の王子様的なポジションに収まった俺に惚れる可能性もあるからな、等とは微塵も思っていないからなっ!!」
そして俺を警察に突き出す理由を聞いてみれば欲望と脳が直結しているらしい貴裕の口からはその腐りきった思想が駄々洩れであった。
「で、唐変木で女心が皆無で傍から見れば不愛想で、絶対むっつりスケベで足が臭くあれ、なんなら加齢臭も酷くあれ、でおなじみのお前が結婚した相手の女性の写真はないのか?警察へと突き出すかどうかはそれから考えてやっても良いだろう」
「前半は全くもって身に覚えが無いうえに後半に至っては最早願望であるし、何でもお前が警察に突き出すかどうかの決定権があるんだよ?」
「うるせーっ!!お前だけは仲間だと思っていた俺の純情な心を弄びやがってっ!!良いからみせろよっ!!将来俺のお嫁さんになる可能性が少なからずあるであろう女の子の画像をっ!!」
むしろこれ程までに食いついてくるのはこいつがロリコンだからなのか、外国人が好きなのかというパンドラの箱に興味を引かれつつも開けてはならぬと無視して、この煩い幼馴染を一旦黙らすためにスマホへ保存しており、俺の待ち受け画面にしているシャーリーを見せてやる事にする。
「分かった。分かったから少しは落ち着けって。ほら、これが俺の嫁さんだよ」
まさか俺の口から「これが俺の嫁さん」という言葉が出るとは、つい最近までは想像すら出来なかったのだから人生どうなるのか分からないものである。
「待ち受けぇぇええええっ!!待ち受け画面ですかぁぁぁああ!!!のろけですかぁぁぁぁぁぁああっ!?自慢ですかぁぁぁぁあああっ!?なんだかんだでぞっこんベタ惚れじゃないですか四宮の旦那っ!!!てか綺麗なブロンド色の金色に輝く金髪に白い肌、そしてその西洋系の若干幼さが垣間見える美しい顔に着物を着ているというギャップッ!!うぉぉぉおおおおっ!!なんで俺じゃなくてコイツなんだよぉぉぉおおおおおっ!!!!???神は死んだのかっ!?」
凄い言われようだなオイ。
どうやら俺の幼馴染は血の涙を流しながら壊れてしまったらしい。
しかし俺がシャーリーにぞっこんベタ惚れなどとは誰がどう見ればそう見えるのか、頭だけではなく視覚までぶっ壊れてしまったようである。
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