恐らく迷子であろう
その今着ているお洋服ですら王国の物よりも正確に、それもコレが手縫いであるとするのならば一体どれほどの年月が必要になるのか想像もつかない様な細かさで織られており、その着心地たるや今まで感じた事のない心地よさがわたくしの身体を優しく包んでくれている。
ルルゥ曰く『きかい』という、服を織る専用のゴーレムの様な物で我々人間では出せない正確無比かつ機織スピードで一着に必要な布が一日もかからないどころか瞬時に織り上がると言うのだから驚きである。
そして、それ程精密かつ機動力や持続力も持ち合わせたゴーレムを戦争や国防に使うのでは無く布を織るという事に起用しているという所に『にほん』という国の国力が窺えてくるというものである。
それ程のゴーレムを動かせる者など王国では間違いなく国家戦力として迎え入れる事が容易に想像出来てしまう。
言い換えれば王国と『にほん』とでは国力にそれ程の差があるという事の裏返しでもある。
そこまで考えたわたくしはシュバルツ殿下の婚約者であった時の悪い癖が出てしまっている事に気付くとかぶりを振って思考を切り替え、ウニクロのお洋服へと目を向けて吟味し始める。
それにしても、お洋服の種類やデザインが多過ぎてどれを買って貰うのか決めるに決めれないでいた。
いくら旦那様本人から好きなだけ買っても良いという許可を頂いているとは言え最低限の礼儀と配慮を怠るのはいかがなものかとわたくしは思っている。
それこそ本人そのものの価値を下げてしまう行為であろう。
それと同時に何故だか知らないのだが旦那様にがめついであるだとかお金遣いが荒いと思われたく無いわたくしがいる。
わたくしの事なのにわたくし本人ですら分からないといった感情をここ最近多く感じており、わたくしは本当に何かしらの病気にかかっている、または遠隔でわたくしの感情を操っている何者かがいるのか。
流石に洗脳又は感情を操られそうになると、その魔力の痕跡が何かしらある筈である為、それが無いという事は消去法でわたくしは何かしらの精神に異常を来す病気にかかっていると考えるのが妥当であろう。
しかしながら生まれてこのかた、その様な病気があると言う話をわたくしは聞いた事がない。
「ままぁぁぁあああああああっ!!どごなのぉぉおおおおおおっ!?」
そしてこれは本気で診察してもらおうかと感じ始めたその時、遠くの方で男の子が泣いている声が聞こえてくる。
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