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まるでゴミの様に捨てられてしまった

何処でわたくしは間違えてしまったのか。


どうすればよかったのか。


激高しながらわたくしへ汚い言葉を投げつけてくるわたくしの婚約者と、その婚約者へ、べったりとくっつき作戦が成功した詐欺師の様な笑みを浮かべてわたくしを見つめてくる女性を見ながら何度目かの自問を繰り返す。


繰り返した所で何も変わらないというのに。


「お前の、アイリスへ行った数々の悪行は既に上がっているっ!!今更言い訳など意味が無いと知れっ!!シャーリーっ!!」

「そ、そんな事っ!わたくしは行った覚えはありませんわっ!きっと何かの間違いでございますシュバルツ殿下っ!!」


まるで夢を見ているかの様な光景だと思った。


前々からシュバルツ殿下へ、べたべたとくっつく平民の娘であるアイリスに対しては良く思わない事が無いと言えば嘘になるのだが、これから女好きである殿下の妻としてこの程度の蜜事など鼻で笑って吹き飛ばす位の心意気がないとやっていけない事等火を見るより明らかではないか。


今更平民の小娘一人に嫉妬などしようはずがない。


「うぅ、また私を睨みつけて来ます、シュバルツ殿下ぁ~っ。私、怖いのぉ~」

「フン、未だ自分の立場が分かっていないようであるな。往生際が悪いというか頭が悪いというか」

「きっと両方だとぉ~思いますぅ~」

「そうだなっ!だからこれ程までに物分かりが悪いんだなっ!流石アイリスだ。この勉強しかできない馬鹿と違って地頭が良い」


自分の立場など、今地に落ち続けている事等、とうに理解している。


しかし、冤罪である事を晴らさなければわたくしは最悪打ち首だってありえるのだ。


自分の立場が分かっているからこそ、プライドを捨ててシュバルツ殿下へ食い下がっているに過ぎない。


「もうよい、見苦しい。ダグラス、こいつを黙らせろ」

「へいへい。お前さんも黙ってシュバルツ殿下の言葉を受け入れてれば痛い思いをせずに済んだのにな。ばーーーか」

「ぐぅぅっ!?あがっ!?」


そしてわたくしは騎士団所でありシュバルツ殿下の側近でもあるダグラスにより腹を殴られ、蹲った所を足で頭を踏まれ地面へと押し付けられてしまう。


あぁ、わたくしの人生は一体何だったのだろうか。


決められた事以外の趣味を持つことを禁じられ、同年代の子供たちと遊ぶ事も話す事も禁じられ、朝から晩まで勉強とレッスン漬けの日々。


それもこれもここグラデリア王国の妃となる為である。


それがどうだ。


わたくしの十数年の人生は小娘一人によりたった一日で全てが無駄であったのだと、まるでゴミの様に捨てられてしまった。


もう、どうでも良いや。


そう思ったのが最後、わたくしは意識を切り離すのであった。

何卒よろしくお願い申し上げます\(^o^)/

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